9月議会報告 決算認定反対討論(1)
国政の変化の受け止め方
今週と来週は決算討論を連載します。
昨今の報道では市長候補が3人になりました。候補者を持たない立場の討論は気を使いました。
この議会は総選挙で自民・公明の政権から民主党中心の政権に変わるという劇的な変化の直後に開かれました。
わが党は新政権に対して、国民からみていいことには賛成し、悪いことには反対をする、疑問点についてはただしていくという「建設的野党」の立場で対応をしていくことを表明しています。
マニフェスト実行に波紋
選挙後、新政権はマニフェストを忠実に実行することを各分野で明言しています。
鳩山首相は日本時間22日、京都議定書後の2013年以降の地球温暖化対策の国際的枠組み構築を目指す国連気候変動サミットで、1920年までに1990年比温室効果ガス25%削減を表明し、マニフェストを国際公約としました。これは世界から歓迎されました。
ところが、それ以前に国内の産業界からは強い反発の声が上がっています。真っ先に反発したのは日本経団連や石炭火力発電で利益を上げている会社でした。
産業界の対応に批判
これに対して環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也さんが「産業界は責務を自覚せよ」という文章で「『大負担増』は悪質な脅し」と厳しく批判しました。
産業界が「国内総生産が17兆円減る」といっているのは温暖化対策を何もしなかった場合と比較してのことで、25%削減しても国民総生産は97兆円増える、「家計負担が36万円増える」というのは、何もしなかった場合と比べて可処分所得が36万円減るということで、対策をとっても可処分所得は76万円増えるといいます。しかも産業界の主張は現在の産業経済の構造や社会構造が変わらないことを前提にしています。「自動車公害規制や大気汚染防止法などで環境規制を強めた結果、産業の競争力が高まった歴史的事実があります」
飯田さんは、なによりも温暖化はすでに現実であり、放置しておけば将来世代や途上国、自分たち自身も深刻な影響を受ける、産業界はそのことをはっきり自覚すべきだと警告しています。
マスコミを注視しよう
今後、こうした論議が、これまで自民党政治が変わらないという前提でものを考えていた私たちのまわりでたくさん巻き起こるのではないでしょうか。そのさいマスコミの報道は重要です。CO2削減問題についての選挙後の報道は産業界の宣伝の受け売りが中心で、「国民の負担が増える」といった誤解を広げてきました。これからは私たちも報道の真偽を見極める努力が求められると思います。その過程で、戦後続いてきた自民党政治が終わったことを、より強く実感することになるのではないでしょうか。
(つづく)