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日本共産党の前進で「国民が主人公」の政治へ
長かった選挙戦も今週で終わります。ふり返れば本格的な選挙はすでに昨年3月の志位委員長の演説会前からスタートしていました。しかし、福田首相の政権投げ出し、麻生首相の再三の「狼が出たぞ」式の解散引きのばし(不決断)で、ついに1年半もの長期戦になりました。
しかし、結果的に自・公与党がもっとも望まない「国民の暮らしを守る」ことが選挙戦の最大争点として浮上し、自・公与党は退陣が避けられない情勢です。
語り切ったつもりだったが…
この選挙戦、何度も書きましたが条件を活かして演説に力を入れました。公示前の演説200回に加えて、標旗を掲げた政権公約(マニフェスト)配布に際しては1分間演説を27ヵ所で行いました。公示後は遠藤昭子候補の前座で4回、最後は25日、西桂で2回、都留で8回、これで全部です。
「全部終わった」、そう思って同行者と話しているところへ党の先輩Tさんが見え、演説が話題になりました。
Tさんは「演説は自分を語ること」といい、自らの地元の演説の要旨を語ってくれました。「党に入って50年、ここまでやってこられたのは皆さんの支えがあったからこそ。この人生に間違いはなかった。いま、この党の前進が切実に求められている」。
Tさんは戦争で父親を亡くしました。6人兄弟の長男として苦労しながら定時制高校を卒業しました。戦争と教師の影響で社会に目を向け政治に関心を持ちました。初めは社会党に入りましたが、その限界を見極め日本共産党に入りました。その後の活動はどこまでも実践的で、地域での信頼は抜群です。国鉄労働組合の役員も努め、もちろん職場でも信頼されていました。
Tさんの演説は単なる演説ではありません。生き方そのものであり、聞く人もTさんの人生を知っています。そのTさんが驕(おご)らず、感謝の言葉から始める演説、聞く人の胸を打っただろうことは想像に難くありません。
悪政への怒りを共有する
「演説は時事解説ではない」「有権者にものを教えるのではなく、誰もが知っていることを確認しながら悪政への怒りと希望を共有すること」「現場を語ること」、そしてTさんがいう「自分を語ること」、演説のいくつかの奥義です。承知しているつもりでもTさんの話はさらに奥が深い。語るべき自分があるのかと考えると厳しいものがあります。
Tさんは私より10歳年長、8月に76歳になりました。戦争体験を総括した年長者・高齢者を尊敬するのは私の原点、この高齢者のご苦労に「恩を仇で返す政治」、悪政とたたかい続けようという思いを深めた選挙でした。