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3月議会報告 一般質問(5)

リニア新幹線の駅誘致について

 議会は2月20日、小諸市のまちづくりを視察しました。小諸市の困難は長野新幹線の駅が隣の佐久市を通り、小諸市に駅ができなかったためのようでした。懐古園というりっぱな観光資源がある小諸市でも観光を産業とした場合、駅一つで運命が分かれるという印象をもちました。もちろん、小諸市はハード、ソフト両面からまちづくりを進めており、必ずや成功すると確信します。
 さて、都留市でいえば中央新幹線の駅が都留市にできるかどうかが市政の大きな課題になっています。この問題では市が明らかにしなければならないいくつかの問題があります。
 まず駅ができた場合のメリットについてです。これまでの駅誘致の理由は富士五湖への玄関口は郡内だということです。しかし、これだけで駅誘致の理由になるでしょうか。もともと富士五湖は東京方面からは日帰り観光の位置にあります。あえて超高速のリニア新幹線で訪れる理由はありません。また、これは都留市にとっての直接のメリットではありません。観光地の玄関口の駅にメリットがあるかどうかということですが、この点ではリニアの駅ができることによる経済効果とあわせて検証と説明が必要です。
 もう一点は、駅設置は地元負担でというJRの立場を認めるとすれば、その財源をどうするのかという問題です。駅設置の可能性があるならば富士五湖周辺の市町村と負担についての協議を始める必要があるのではないでしょうか。
 最後に、駅設置についての可能性そのものについての見通しです。仮に富士五湖地域への玄関口としての役割を負うとしてもアクセス道路の問題があります。現在進められている国道パイパスはその役割を意識したものではなく、あくまでも地域の渋滞緩和が目的です。それに比べて国中から富士五湖方面への道路は御坂峠越えの国道137号線の整備とあわせて若彦路の建設が進められています。比較した場合、都留市は不利に見えます。
 熱心な駅誘致に期待する声があるなかで、夢を語ることは必要ですが可能性がないならば幻想を振りまくべきではないと思います。市長の認識と今後の取り組みについて問うものです。

 【市長答弁要旨】
 駅ができた場合のメリットについて。  富士山観光の玄関口として、また、様々な施設や企業の誘致の可能性を飛躍的に広げ、地域発展や振興に繋がることが期待でき、それに伴い固定資産税の増収など、直接的、間接的な経済効果が大きいものと考える。
 駅設置の財源について。
 横内正明山梨県知事は、山梨県内の駅はJR東海の負担による設置を要望する旨を明らかにしている。知事の発言に基づき、県や周辺市町村との連携を図る中、最良の方法を検討したい。
 駅設置の可能性について。
「政治は可能性の芸術である」という言葉がある。その可能性がわずかでも、20年間にわたる取り組みの重さを真摯に受けとめ誘致活動に取り組んでまいりたい。