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3月議会報告 一般質問(2)

市立病院改革プランについて

 総務省が地方に求めている公立病院の改革プラン作成は、見直しを余儀なくされている地方へのお金の配分を減らしてきた「小泉改革」の置き土産の一つといわれています。

改革すべきは国の医療政策
 小泉元総理が、政界引退を表明したいま、冷静に検討すれば改革しなければならないのは医師不足を生み出した国の政策そのものであることは、この間の市立病院の産婦人科問題をはじめ全国の深刻な公立病院の例で誰の目にも明らかです。
 いま市立病院に求められているのは黒字の病院でさえ困難に陥っている事態を明らかにし、国の責任で医師の養成と適正配置、診療報酬の引き上げなど、他の公立病院と協力して国が医療に責任を負うよう求めることと、自らは医療水準の向上と患者の立場に立った医療の提供をめざすことではないでしょうか。

経営形態の見直し?
 平成2年から20年足らずで全国の模範と総務省から認められた市立病院です。それはいくつかの僥倖(ぎょうこう=予想しなかった幸運)と開院当初からの関係者の努力によるものであり、国の方針によるものではありません。市はなぜ国のいいなりに経費削減を目的とした経営形態の変更に踏み出そうとするのでしょうか、まったく必然性を感じません。内部努力としてはあくまで患者本位を貫くことを基本に、良いところを伸ばし問題点を改善する、働いている人が力を発揮できる条件整備をすることなどではないでしょうか。経営形態の問題に踏み込み「多用な雇用体系」などを謳(うた)うことは、いま問題になっている不安定雇用を生み出した新自由主義経済の発想です。これは働いている人の気持ちを乱すだけで、百害あって一利ないものといわなければなりません。改革プランについて基本的な見解を求めるものです。

待ち時間と受付の対応
 さて、市立病院については最近市民からいくつかの苦情が寄せられています。一つは相変わらずの待ち時間の長さです。もちろんこれは根本的には医師の増員が必要で、現在の情勢では厳しい課題です。しかし、工夫によってイライラ感を軽くすることはできます。以前にも取り上げましたが、特に患者の多い内科では診察番号の掲示を工夫すべきではないでしょうか。
 次に、受付の問題です。市立病院で、ある人がよんどころない事情で予約の1週間先への変更を要請したさい、警備の人は伝えておきますといったそうですが、当日、確認の電話を入れると「予約の変更はできない、一旦受診をするように」と断られたそうです。「七年間も通っている慢性疾患であり、仕事の都合で時間が惜しい」と訴えたが「決まりですから」と取り合ってもらえなかったそうです。窓口に来る患者の生活は多様であり、なんでも「決まりです」といった対応では批判は免れません。受付業務は外部委託していますが、委託業者との関係はどうなっているのでしょうか。答弁を求めます。