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世界的視野が足元を明るくする

賑わった生活・雇用相談会
 15日、田野倉のホームセンター駐車場の一角で「生活・雇用相談会」が開かれました。主催は郡内地域の8団体による実行委員会。
 思いをこめた相談会らしく、主催者側だけでも30数名が集まりました。共立診療所周辺のお母さん方が、いま大月市が地域おこしのために力を入れている「おつけ団子」のもてなしがありました。
 ホームセンターの社長にあいさつに伺うと「ごくろうさん。よくやるなぁ」と激励されました。社長自身、不況が他人事でないと言います。「マスコミは不況ばかり言うが買う気になるような宣伝も考えてもらいたい」とホームセンターの社長らしい注文をつけられました。もとより実用品、生活必需品が中心のホームセンターですが、それでも客足が落ちているといいます。宣伝のあり方は工夫が必要ですが、やはり不況は深刻です。
 相談会は共立診療所「さるはし」の看護師の血圧測定もあって、多くの人が立ち寄りました。そのなかで、ある人が私のところにきました。元「しんぶん赤旗」の読者で、ある会社の経営者の側に立たされた人でした。

「トヨタやキヤノンとは違う」
 彼は人事に携わる立場にいて、上司から誰を解雇するか任されて悩んでいるといいます。聞けば「障害者か派遣か」という選択だといいます。
 「いまどき障害者を採用する会社はない。かわいそうだし、補助金も返還しなければらない。しかし、障害者はグループホームで衣食住は保障されている。派遣の人は11ヶ月の失業給付があり次の仕事の斡旋もするが、見つからなければ大変。子どもの教育費や住宅ローンもある」と一気に喋りました。
 話し終えて少し気持が楽になったようでしたが、彼の次の一言に、私は衝撃を覚えました。「こういう人事では私たちの会社はトヨタやキャノンに後れを取るんですね」。
 名前をいえば誰でも知っている会社で、「一流」とか「大」をかぶせても不思議でない企業です。それでもトヨタやキャノンのように機械的に従業員を解雇できず、「後れを取る」のです。ついこのあいだまで世界一の利益を誇りながら、赤字になったからと真っ先に派遣切りをしたトヨタ。しかし、情け容赦ないトップ企業の考え方は必ずしもすべての企業に共通するものではないことが、彼の話で分かりました。リーディングカンパニーといわれる大企業を「社会的責任を果たせ」の世論で包囲しなければなりませんし、その条件は大きいと実感しました。

「赤旗」が伝える日本の異常
 2月15日付「しんぶん赤旗」日曜版19・20ページの見開き特集「ストップ大量解雇 政府が動く欧州」は日本とヨーロッパの政府の姿勢の違い、労働者をまもる制度の違いを浮き彫りにしています。保存版です。
 いまや私たちの身の回りで起こっている出来事を正しく理解しようとすれば世界的視野が必要で、「しんぶん赤旗」は日本の理不尽な現実を理解し変える大きな力です。