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言葉調べと野鳥観察

 新しい年はいっそう忙しくなるでしょうが、気持ちだけは余裕を持って乗り切りたいと思います。その証(あかし)というわけではありませんが、今週は肩の凝らない話題に。
 少し古くなりましたが、麻生首相の漢字の誤読を笑いましょう。

不思議な首相の国語力
 首相が「文藝春秋」11月号に「強い日本を!」という文章を載せ、その中で「国会の冒頭、堂々と私とわが党の政策を小沢代表にぶつけ、その賛否をただしたうえで国民に信を問おうと思う」と書き、「ただちに解散を」と迫られたのは当然のことでした。
 それはともかく、この文章の中で麻生首相はけっこうむずかしい言葉を使っています。たとえば就中(なかんずく ナカンヅク)、畢竟(ひっきょう)、竦(すく)み、恬淡(てんたん)、窶(やつ)し、などです。四字熟語でも合従連衡(がっしょうれんこう)、乾坤一擲(けんこんいってき)などと、とても踏襲(とうしゅう)をフシュウ、未曾有(みぞう)をミゾユウ、詳細(しょうさい)をヨウサイ、物見遊山(ものみゆさん)をモノミユウサンと読んだ人の文章とは思えません。さらに15日の新聞は焦眉(しょうび)をシュウビと読んだと報じました。

むずかしい日本語
 ところで「未曾有」の正確な発音をご存知でしょうか。ミゾーかミゾウか、以前から気になっていたので調べてみました。「広辞苑」では分かりませんでしたが、小型の「新明解国語辞典」に解説がありました。
 みぞう【未{<曾有}】[ミゾウォ‐ウの省略形。ゾウは、「曾」の呉音][最近は、語原が忘れられ、ミ‐ゾ‐ウという文字読みをする向きが多い。「みぞゆう」も誤り]
 「麻生さん」を予想したような解説に笑いましたが、これで読み方としてはミゾーもミゾウも間違いと分かりました。ちなみに「日本国語大辞典」には見出しに「み‐ぞ‐う」と並んで「み‐ぞう‐う」が立ててありました。「ミゾウォ‐ウ」「み‐ぞう‐う」の発音は「ミゾーウ」でしょうか。
 ある場でこの言葉を話題にしたとき、唯一人正しく発音されたのは70代の女性でした。毎日新聞に「『それをいうなら』がなつかしい」という題で投稿し、「ごね得」は「ごて得」が正しいと指摘してした人も78歳の女性でした。やはり年長者にはかないません。
 ということで、言葉に精通している人には「いまさら」、無関心な人には「どうでもいい」という勝手なこだわりでした。

シメ、イカル、コゲラ、アカゲラ
 野鳥観察(バードウォッチング)は双眼鏡と図鑑だけで自然との一体感を味わえる手軽な趣味だと思うのですが、なかなか同好の士は現われません。全国組織の「野鳥の会」もついに5万人を割ってしまいました。不況の影響でしょうか。
 年の暮に厚原で見出しの4種類の野鳥が同じ木にいるのを見ました。アカゲラは木をつついてみせ、観察者を楽しませてくれました。アカゲラはめったに見られませんが、以前にもお城山の北側で見かけました。