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大企業からモノを言われる党

 「大企業にモノが言える政党か、モノを言われる政党か」臨時国会の閉会日、志位委員長の議員団総会でのあいさつの中のフレーズ(成句)です。
 「企業・団体からの献金を受け取らない」から「大企業にモノが言える」は日本共産党の真骨頂を示すフレーズの一つです。しかし、その逆の立場を言い表すことばとして「大企業からモノを言われる政党」という表現を聞いたのは初めてで、新鮮です。

分かりやすい政党の「分類法」
 元日の日刊「赤旗」紙上の新春トークで志位委員長は「あの議員団総会は、トヨタとの会談を終えた直後で、心底そう思って話しました(笑い)。考えてみると、大企業に堂々と何でも自由にモノが言える共産党と、大企業にいろいろと指図されて、通信簿をつけてもらって献金をあっせんしてもらっている、自民、民主という『二大政党』の流れと、結局二つに分けられる。これはとても簡単な分類法です」と語りました。
 「理論が大衆をつかむとき、物質的な力になる」とはマルクスの言葉ですが、そうなる(世論が動く)ためには理論が大衆に理解される環境が整っていることと、理論が分かりやすく表現される必要があります。
 いま無慈悲に派遣切りをする大企業に批判が高まるなかで、大企業から献金を貰っている政党に雇用問題の解決を期待できるかという疑問は当然のものです。そうしたなかで、このフレーズです。分かりやすく、誰にも受け入れられるのではないでしょうか。
 そして日本共産党が「大企業にモノを言える」をズバリ実行したのが昨年末でした。

直談判(じかだんぱん)に大あわて?
 キヤノン、いすずに続く経団連、トヨタとの直接交渉は共産党としても初めての経験です。一方、経団連は財界の「総本山」です。
 申し入れがあったときの経団連の驚きが目に見えるようです。「共産党が乗り込んでくる」「誰が対応するか」「どこで対応するか」、いろいろやりとりがあったのではないでしょうか。「本部に乗り込まれたら困る」という相談がされたかどうか、知るよしもありませんが、経団連との話し合いの場はホテルでした。トヨタは代表が党本部に出向きました。トヨタも「来られたら困る」と思ったかもしれません(11日付「赤旗」日曜版7ページ)。
 党本部を初めて訪問したトヨタの共産党にたいする印象はどうだったでしょう。党員である私ですら、新装成った本部建物を見学したときは、その雰囲気の開放的なのに驚きました。トヨタの代表が認識を新たにしたことは想像に難くありません。

大企業の社会的責任を
 それにしても新聞などの論調の変化が著しい。「大企業は雇用に責任を負うべきだ」と「しんぶん赤旗」を思わせるような内容が目につくようになりました。「派遣村」報道も反響を呼んだのではないでしょうか。
 大企業の内部留保、株主配当を優先するのでなく、その一部を雇用に回せという共産党の主張が世論を動かし始めています。