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6月議会報告 一般質問(4)

すれ違った質問と答弁

「リサイクル」が中心なのに…
 一般質問についてお知らせすると、読者から「あの質問はいいと思うよ」「しかし、あの答弁はおかしくない?」という感想が寄せられます。今回は放置自転車問題でした。
 質問は「自転車を放置するな」という趣旨ではありません。「放置された自転車をどう活用するか」です。それは質問でも触れているように地球温暖化対策、エコライフの一環として大切な課題だと思うからです。しかし、市長にはそういう認識がないようです。
 市は小水力発電に力を入れ、「三の丸」(高尾神社入り口、かつて谷村町立発電所があった)に5千万円かけて二つ目の施設を作るといいます。そのことはそれなりに意義のあることです。しかし、市役所前の施設は当初、市庁舎で使う電力の18%を賄うとしていたのが実績では13%足らずです。
 私はこれまで公的施設の屋上に太陽光発電を設置することやペレットストーブの普及を提言してきましたが、残念ながら市の反応は消極的でした。今回の放置自転車の活用もその一環として取り上げたのですが、「これは葛巻町でも取り上げていない」という私の思いは通じませんでした。このまま推移すれば小水力発電は省エネの象徴としての役割にとどまるような気がします。

電力自給率185%の葛巻町
 岩手県の葛巻町は自然エネルギーのパイオニアです。風力発電、太陽光発電などを中心にあらゆる自然エネルギーを活用しています。風力の発電量が圧倒的に大きいので都留市ではちょっと対抗できないと思いますが、電力自給率、エネルギー自給率に目標値を設定し、それぞれの達成を意識的に追求している姿勢に学ばされます。
 新エネルギー・環境関連で数々の受賞をしている同町ですが、昨年11月の広報では「町内の電気使用量は、一年間に約三〇〇〇万キロワット時。新エネルギーによる発電量は約五六〇〇万キロワット時で、電力自給率は一八五%…。現在、町全体の年間エネルギー使用量は約一六七〇億キロカロリー。これに対し新エネルギー供給量は約一三〇〇億キロカロリー。町のエネルギー自給率は七八%(平成十五年度末現在)」とし、「今後は、特に家畜排せつ物や木質バイオマスの利用と省エネルギーを積極的に進め『エネルギー自給一〇〇%のまち』を目指します」といっています。
 葛巻町の取り組みと比べた場合、都留市の計画は小水力発電をのぞいては可能性を論じているだけに見えます。いわば積み上げ方式です。
 呼び水としての補助金も違います。都留市の場合は新エネルギーの発電で電力会社に電気を売れば10万円を限度に補助金が出ます。葛巻町は発電だけでなく太陽熱利用、クリーンエネルギー自動車、木質バイオマス熱利用機器、その他のエネルギー、高効率エネルギー設備などに補助金が出ます。
 ある読者がCATVを見て「深追いをしなかったね」と感想を述べましたが、市の姿勢に見極めがついて、それ以上の追求は必要ないというのが質問者としての気持ちです。