国保税の改定(値上げ)案決まる
2月14日、国民健康保険運営協議会が開かれ、国保税率の改定案が決まりました。
今回の改定にはいくつかの要素があります。一つは医療費の増加で基金残高が少なくなったことです。もう一つは新聞でも報道されましたが、県の指導のまちがいで国へ返還することになった7千万円の調整交付金の負担、それに後期高齢者医療制度の影響です。
基金が底をつく
私はこれまで「一般会計からの繰り入れと基金の取り崩し」で値上げをやめるよう要求してきました。当局は一般会計からの繰り入れは拒否していますが、3年間値上げをせず、基金は'00(平成12)年度の4億8975万8千円から今年度末見込みで1億7644万6千円にまで取り崩しています。この点は評価できますし、「このくらいは残しておかなければ心配」という担当者の気持ちも分からないのではないのですが、担当者はともかく、市政がまず心配しなければならないのは加入者の家計ではないでしょうか。
かねてからの主張ですが…
今回の改定の大きな変化は資産割の廃止です。都留市の国保税はこれまで応能割として所得割と資産割、応益割として被保険者均等割と世帯平等割の4課税方式を取ってきました。このうちの資産割を廃止し、3課税方式にすることとされたのです。
固定資産にもいろいろありますが、利益(定義が難しいのですが)を生み出すものとそうでないものがあります。私はそういう区別なしに一律に課す資産割は廃止すべきだと主張してきました。その立場からいえば、この措置は歓迎できるのですが、当局が廃止に踏み切った理由は別にあります。それは固定資産の名義人の多くが後期高齢者医療制度に移行してしまうからです。そのため今後、資産割からの収入は期待できません。国保から後期高齢者医療制度への移行は世帯数で20%ですが、固定資産の名義人でみると世帯数で33%、税額で40%になります。歳入でこれまでと同程度の額を期待したら資産割課税は大幅に引き上げなければなりません。ということで廃止に踏み切ったようです。甲斐市と南アルプスが同じ措置を取るといいます。
どのくらいの引き上げか
問題の引き上げ額ですが、平均して
一世帯あたり
16万4209円から18万1660円へ
1万7451円
一人あたり
7万7357円から8万8450円へ
1万1093円になります。
引き上げ額はあくまで平均です。当局は八つの試算例を示しましたが、例えば所得200万円、夫婦だけの世帯で19万7523円、「大丈夫か」と思うのは私だけでしょうか。また加入世帯の23・3%が所得ゼロです。
もともと低所得層が多い国保なのに、1984年から2004年の間に国の負担は49・8%から34・5%に減らされています。これを元に戻して加入者負担を減らさねば国保の崩壊にもつながりかねません。