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青年の希望をかなえる社会を

 1月13日、成人式が行われる文化ホールに行きました。恒例の成人式宣伝です。
 華やかな衣装に包まれた二十歳の青年たちが、彼らを育てた親のありがたさを実感するのはもう少し先かもしれません。彼らのこれからの人生に幸多かれと願わずにはいられませんでした。

日本社会をいびつにした政治
 過日、学生数人と話し合う機会がありました。この学生たちが物心のついたころにバブル経済は破裂しました。その後の体験で、私たちとは社会にたいする見方がまったく違っています。私が「勉強が嫌いで、親戚のおじさんの勧めで国鉄に就職した」というと「そんなに簡単に就職できたんですか。いまJRに就職するのは大変です」といいます。  私たちが社会に巣立ったのは高度経済成長期に入ろうとする60年代前半でしたが、まだ社会の土台には農漁業=第一次産業がすえられていました。つりあいの取れた産業構造は健全な人間関係の保障です。そこには青年の希望をかなえようとする社会のしくみがまだ残っていました。
 しかし、その後の政治は日本の伝統も社会構造も破壊し、青年から希望を奪う方向に進められました。とりわけ、この十年余りは弱肉強食を極限まで推し進め、青年に社会の非情さをより強く印象づけるようになりました。それは日本の外交がアメリカ追従を強める過程でもありました。私たちが子どものころは社会全体に二度と戦争はイヤという気分が強く、政治も表向きは「全方位外交=どこの国とも仲良く」といっていました。それが「日米同盟が外交の基軸」に変わり、アメリカが「世界」のすべてになりました。

「赤旗」で知る世界と日本の変化
 新年の「しんぶん赤旗」は世界の変化、前向きの変化をさまざまに描きました。ルールあるEUの資本主義国と日本の違い、アジアと中南米の変化、アメリカの戸惑い、日本の政党の鈍感さ、その全容を伝えることはほかの新聞のできないものです。
 そして臨時国会の総括です。薬害肝炎被害者救済法、改正被災者生活再建支援法、改正「中国残留孤児」支援法、その他、国民のくらしにかかわる法律の改正がありました。前向きの変化です。たしかに新テロ特措法の成立もありました。しかし、与党がむりやり成立させても世論との矛盾はかくしようがありません。どこに正義があるかは明らかです。
 ということで、真実を知る日本で唯一の手がかり、「しんぶん赤旗」の購読者を増やすことに、ぜひ、ご協力ください。

社会を掌にのせる青年たち
 学生と「本来の社会のあり方」を語りあいました。そして、戦争から平和への動き、貧しさからの解放など、世界は確実に進化していることを確認しました。限られた時間でしたが、若者がたんに社会に翻弄(ほんろう)される存在でなく、社会を掌に載せて自らの人生を考えようとする意欲を十分に持っているという手ごたえを感じました。楽しい語らいのひとときでした。