9月議会報告 一般質問
都留大の法人化はほんとうに必要か4
しかし、先に法人化した国立大学では交付金の減少に苦しみ、教職員を増やせないでいます。その結果、全国大学高専教職員組合の49国立大学に対するアンケートによると、教育条件で48・5%、研究条件で62・4%が「悪くなった」と答え、「良くなった」はそれぞれ1・7%に過ぎません。
法人化のために新たな出費をするのでなく、これまで大学を発展させてきた全員参画型経営を堅持し、教授会の負担を減らすためにお金を使うことの方が安全で確実な投資になるのではないでしょうか。答弁を求めます。
いま必要なのは法人化ではない
ちなみに、国立の教育系大学との比較で見たとき、2005年度、国立の場合、交付金や科学研究費など公的資金が経費全体のおおよそ3分の2、逆に都留大では学生の納付金が3分の2に達しています。その国立大学も安倍内閣の「骨太方針」のもとで、運営費交付金の傾斜配分=地方大学の減額が打ち出され大問題になっています。
こうした情勢のもとで、いま必要なのは法人化論議ではなく、あらゆる大学関係者が国に対して教育予算の増額を求めることではないでしょうか。認識を問うものです。
これまでの姿こそ大学の理想
最後に、市長が言う「自主的・自律的に大学運営を行い、教育研究活動の活性化が図られるような組織形態」のための法人化という考え方です。3月議会でも言いましたが、その理想は「お金を出しても口は出さない(※2)」
という、これまでの市と都留大の関係にこそあるのではないでしょうか。
理事長は学長と別に置き、理事長の任命権は市長が持つというのでは、「自主的・自律的」どころか、その時々の市長の考え方が大学のあり方を左右することになります。こんな危険なことはありません。現に国立大学では学長選考問題で争いが裁判にまで発展している例があります。民主主義の根幹に関わる問題であり、市長の見解を求めます。
私は都留大を法人化する必要はないと確信しますが、もし法人化する場合でも、理事長と学長は一体のものとすべきだと思います。
大田尭元学長の講演に学ぶ
最近、人からすすめられて大田尭元学長の退官記念講演を読みました。講演では都留大の歴史をふりかえり、他の大学にない、市民に育てられ市民に貢献する大学像が描かれていました。その後の発展の礎石(そせき=土台)になった講演ではなかったかと思います。
この機会に、あらためて都留大のあるがままの姿を多くの人に知ってもらい、虚心坦懐に意見を出し合い、あるべき姿を探求したいものと思います。そのために、最初に戻りますが法人化関係案件は撤回し、結論を一年先に延ばすよう求めて質問を終わります。
※1=再質問 経営の効率化とは何を指すか。少ない教員数をさらに減らすか。研究費を減らすか。学生への補助金を減らすか。これ以上の効率化が可能か。
※2=大学の自治を尊重する。