9月議会報告 一般質問

都留大の法人化はほんとうに必要か3

 安易に学生を増やしてよいか
 また、3月議会の市長答弁では「交付税の減収分を補うためには経営の効率化(※1)と学生数の増加が必須条件」と言っています。大学希望者全入と言われる時代に安易に学生数を増やせば都留大の魅力は一気に低下するのではないでしょうか。
 これまで学生数が増えてきているのは単純に増やそうとして増えたのではありません。教員採用数が減らされたもとで、就職先を確保することと都留大にふさわしい学科を増設することを矛盾なく実現するという努力の結果の学生増だったのではないでしょうか。認識を問うものです。

今でも進化している大学
 さらに市長は「健全な経営状態を堅持している今こそが、古い成功体験を壊し…」云々と言っていますが、都留大の成功は決して古い話ではありません。
 今年度、文部科学省の大学の教育改革の取り組みを促進するための「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)と「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)の両方にそれぞれ「山・里・町をつなぐ実践的環境教育への取組―フィールドミュージアムへ ようこそ―」と、「地域を基盤とした教師養成教育モデルの開発」―学習支援を通して「子どもの体験」の深化をめざす学生アシスタント・ティーチャー・プログラム―が選ばれました。ともに多くの大学が応募するなかで見事19・8%、15・7%の中に入ったものです。このことによって文部科学省から一定の補助金が出ると聞いています。わずかな金額かもしれませんが、交付税が減らされているもとで財政的にもありがたい貢献です。
 こうした努力をこれからも続けていただくこと、そして国に対して交付税を減らすのではなく、教育費を抜本的に増やすことをねばり強く働きかけることこそ、これから重要になるのではないでしょうか。認識を問うものです。

「開かれた大学」への努力
 次に、いわゆる「開かれた大学」についてです。都留大は以前から公開講座や学生の自主的な活動などを通じて市民と接点を持ってきました。近年はアシスタント・ティーチャーや出前講座、地域交流センターの取り組みなど、その努力をいっそう強めています。市長自身、青年会議所の理事長時代に今泉吉晴教授との対談でまるごと博物館構想について聞き、市長になってからの政策に生かしています。これほど、地域に貢献すること、地域に開かれた大学にすることを意識し実践している大学がほかにあるでしょうか。認識を問うものです。

教授会の負担軽減が必要
 今必要になっている「改革」は、共通の認識となっている重すぎる教授会の負担を減らすことです。しかし、それは法人化によってではなく、これも共通の認識になっている、少ない専任教員を増やすことによって解決すべきです。
 (つづく)


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