3月議会報告2 一般質問2
大学の「法人化」に異議あり2
金は出すが口は出さなかった市
その後、大学の運営経費が地方交付税に積算されるようになって、市の財政負担は一気に軽くなりました。紛争を経験した市は「大学らしい大学をつくる」立場に立ち、地方交付税基準財政需要額相当額=国の交付金を「もともと大学がなければ交付されない金」と割り切り、国から市の一般会計にきたものをそのまま大学会計に繰り出し、「金は出すが口は出さない」という態度をつらぬいてきました。
大学では教授会が中心になって大学の発展のために力を尽くしてきました。さらに市は大学のために自主財源を繰り出さない代わりに市民体育館や野球場、市民プール、文化ホール、陸上競技場など市民のための施設を大学の周辺に建設し、学生の利便を図ってきました。こうした経過についても市長の認識を問うものです。
理由にならない財政問題
こうして、この30年余りの大学の発展は目覚しいものがありました。施設、設備は国立大学が予算の乏しさを嘆いているのがウソのように充実してきました。その充実のカギは検討委員会の教授の発言にあります。すなわち、一つは他の公立大学に比べて専任教員の少なさにあります。教員一人当たり学生40人弱は公立大学の中で3校ほどといっております。他の公立大学は10数人から20数人だといいます。さらに給与面でも都留大は低位にあるといいます。すなわち、都留大は人件費を低く抑え、施設・設備など学生の勉学条件の整備にお金を回してきた教授会の努力によって発展してきたといってもよいのではないでしょうか。法人化の一つの目的が財政事情にあるとすれば、すでにその努力は十分にされてきており、これ以上の人件費の削減は教官の意欲をそぐ結果をもたらすだけだと思います。こうしたこれまでの教授会の努力について、市長はどう評価されているのでしょうか。
意欲という点では学生の募集、就職活動における先生方の努力も相当のものです。検討委員会で議長はこうした問題提起と懸念にたいし「今までやってきたからそのままでよいということも問題でありますので、法人化へ向けたお話を進めさせていただきます」と、一顧だにしていません。つまり、まったく核心に触れた論議はされていないのです。
議会軽視と虚構の上の論議
しかも重大なことに、検討委員会で大学の2人の先生は市長と議会が法人化を強く志向されているのであればそれに従うしかないと言っていますが、市長はともかく、議会は法人化を正面に据えた論議は一度もしていません。先生方は誤った認識のまま討論に参加されているのです。市長はいつ議会に検討を求めたというのでしょうか。
さらに、事務局は「学生一人当たりの地方交付税算入単価が平成13年の38万9千円をピークに減額が続き、平成18年度では27万3千円まで減額されております。今後、どこまで減額されるのか、非常に懸念しているところであります」と説明しています。しかし、減額された交付税を一昨年来さらに毎年2億円ほども減額して大学会計に繰り出しているのは市ではありませんか。
(つづく)