3月議会報告1 一般質問1

大学の「法人化」に異議あり1

 8日に一般質問が行われました。任期最後の一般質問なので大勢の議員が質問に立つだろうという予測に反して4人だけでした。
 今週から私の質問を連載しますが、最初の質問は大学の独立行政法人化についてです。 
 この質問は「検討委員会」の会議録を検討して組み立てたので、大変長い質問になりました。この質問をつくる過程では都留大の古い友人との意見交換もあり、私自身、40年前を思い起こす機会となりました。
 都留市の将来に関わる質問です。3週にわたりますが、ぜひ、読んでください。

 

市民から寄せられた「心配」の声
 2月22日付新聞で大学の法人化検討委員会から市に法人化へ向けた答申がされたと知り、大変驚きました。検討委員会は最初の会議からわずか3ヵ月で結論を出したことになります。しかも、市長の所信表明では来年4月の法人化をめざし作業を進めるといいます。その後、アパートを経営する市民や学生の親から「大学が企業になるのか。倒産することもあるのか」といった心配の声が寄せられています。
 以下、ホームページに掲載された検討委員会の3回の会議の内容に目を通し、疑問に思ったことについて市長の見解を問うものです。
 私は都留大を60年代半ば(昭和40年ころ)から注視してきた市民の一人として、いまの都留大の「通常言われる教授会の自治の範囲を完全に踏み越え」、「経営に属する問題についても教授会が決定しており、全員参画経営に近い状態が自然に成立しているという極めて特殊な大学」(教授の発言)が作られたのには、それなりに必然性があったと認識しています。

学生運動が大学の土台を据える
 昭和40年前後は都留大の黎明期でした。さまざまな困難を乗りこえて昭和35年に短大から4年制に移行したものの学生の勉学条件は劣悪で、その改善と大学の民主化を要求する学生の声は大きく盛り上がりました。当時は学生運動が全国的に高揚した時代でした。都留大における学生の民主化の要求の核心は当時の大学当局の独善的な運営にありました。この学生の運動は学生自治会執行部に対する退学処分、教官に対する処分など、不幸な結果をもたらしましたが、裁判にまで発展したこの紛争から、市や議会、大学当局は大学の自治について深く学ばざるを得ませんでした。それが教授会の全員の参画経営という民主的運営の土台になったことは都留大の歴史を知る人たちの共通の認識ではないでしょうか。そしてそれは都留大の何物にも変えがたいブランドとなりました。その後の学生の多くは都留大を選んだ理由に「民主的な大学」を挙げていました。企業経営と大学のブランド化との違いはまさにここにあります。企業はトップダウンでいいかもしれませんが、都留大は全国にまれな民主的な大学であることがブランドになっているのです。市長はこの経過と現状についてどのように認識されているのでしょうか。
(つづく)


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