6月議会報告 一般質問3

介護保険利用者への支援を

 昨年10月からの施設利用者の食事費と居住費の実費負担、今年四月からの保険料の引き上げと制度の改変は多くの問題を引き起こしています。
 なによりも、かかるお金が大変だという訴えがあります。老健入所者から三万円も負担が増えた、お金がないものは介護を受けられないのかという悲痛な訴えでした。家族の負担は大変なものです。

制度改変で業者の経営にも打撃
 これまでの比較的介護度の低い人を介護から予防に重点を置くというふうに改変したため、介護が減らされて困っているという例があります。しかし、実績をみても以前の制度では要介護1の人の割合が約40%と最も高くなっており、その人たちを介護の対象からはずすことは介護保険の役割を低めることになります。そうでなくとも不況の中で全体として介護保険の利用は頭打ちになってきていると思いますがいかがでしょうか。
 介護度の低いとされた人を対象とした予防事業はどのようなサービスがどの程度実施されているのでしょうか。現状について報告を求めます。また、要介護1のヘルパーの仕事が減り、要支援のケアプランの作成費用が介護プランの3分の1ということもあって業者は人件費が出ないと悲鳴を上げ、経営はきわめて困難になっています。
 12月議会でも質問したテーマですが、制度改変の矛盾から、現場のヘルパーの悩み、介護される人と家族の悩み、業者の悩みが増しているように思います。新制度実施から二ヶ月余り経過して、市としても状況を把握していると思います。
 制度発足から六年たち、当初実施されていた利用料の軽減措置は低所得者の限度額を超えた利用料だけになってしまいました。制度の問題点は国の責任ですが、あらためて市として利用しやすい制度とするために負担軽減措置を考えるべきではないでしょうか。


介護施設退所者1000人超す
 7月6日付「赤旗」は、昨年10月の介護保険法改悪による負担増が原因で、施設を退所した人が全国で少なくとも1011人いると報じました。これは中央社会保障推進協議会や、日本共産党国会議員団などの調査を集計したものです。日本共産党の要求で厚生労働省も都道府県に調査を依頼しており、近く調査結果をまとめる予定だといいます。

「赤旗」の解説
 介護施設の食費・居住費の全額自己負担化は自民、公明、民主の賛成で2005年成立した改悪介護保険法によるもの。
 住民税課税世帯には負担軽減措置がなく、特養ホームの多床室で国の基準でも月2万5千円の負担増です。さらに同世帯の実際の負担額は施設と利用者の契約で自由に決められ事実上青天井≠ナす。このため多くの退所者が出ています。
 一方、負担軽減措置がある住民税非課税世帯でも退所者が出ています。低所得者対策を実施するので問題はない≠ニしてきた国の対策の実効性が問われます。


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