「自治会」ってなんだろう
新年度、思いがけず自治会長に選ばれました。そのうえに、10日の引継ぎの会議で中谷地区連合自治会の会長になりました。こちらは輪番制で何年も先まで割り振りが決まっているのです。さらに、このままいけば同様に市の連合自治会長になるというのです。こんなときこそ「共産党じゃダメ」という意見が出てきそうなものと思ったのですが、中谷地区の会議では議論もなく輪番表にもとづいて「城北町の小林」と決め、「ウチに回ってこなくてよかった」という雰囲気でした。
泥縄式に勉強して
3月末に自治会の引継ぎで、率直に「来年市議選があり、前回最下位、しかも定数が4減らされ大変」と、こちらの事情を話したところ、出席した役員さんたちは自治会の仕事が負担にならないよう、さっそく具体的な仕事を引き受けてくれました。とくに昨年度、自治会の仕事や書類を整理するなど大奮闘してくれた前任の自治会長さんが相談役として残ってくれたのは心強いことでした。
しかし、それはそれとして引き受けるからには自治会について知らなければなりません。考えてみれば、これまで議員として自治会を見てきましたが、当事者になるとは思ってもみませんでした。立場が変わればものの見方も変わるものです。ということで勉強しようと本をさがし、「町内会・自治会の新展開」(編集/東海自治体問題研究所 自治体研究社刊)という本が見つかったので、取り寄せて読んでみました。その結果、当然のことですが「目からウロコ」でした。
この本は第一章「やはり必要―町内会・自治会」の冒頭で阪神大震災での自治会による対応の違いを浮き彫りにしています。
自治会による大きな違い
よく訓練された神戸市のある地区は「初期の消火・延焼の阻止からはじまって、被災状況調査・避難先リストの作成、当日の昼からの自力による炊き出しを行ってきた。また、救援物資の確保と平等な配分、瓦礫の撤去による交通路の確保、区役所・消防・警察への要望の伝達と対策の要求を、毎晩自治会長が集まって情報を交換し対策を協議しながらすすめていった」といいます。こうした機敏な対応ができたのは長年にわたる「まちづくりの取り組みの蓄積があったことが大きい」と強調しています。
一方で、「自治会・町内会がもともと存在しないか機能していなかったところ、町内会はあったが、会長や役員が自分だけ大阪などに避難してしまって、肝心な時に組織として機能できなかったところ、行政や警察・消防に次々と要求はするが自分たちでは何もできなかったところ…」と、その対比は鮮明です。
いまからでも間に合う?
自治会の仕事を負担に感じながらも「それなら解散してしまえ」という声が大きくならないのは、漠然とではあっても、その必要性はみんなが感じているからではないでしょうか。任期は一年、地域の人たちの関心が自治会に向くかどうか、まずは役員さんたちの協力を当てにして船出することとしましょう。