3月議会報告 予算反対討論1

異常な国政を見きわめてこそ

アメリカ・日本・そして地方政治
 今月12日に行われた山口県岩国市の住民投票は歴史的でした。日米両政府が決めた「在日米軍再編」計画の一環である米軍艦載機移転に、有権者の過半数が「ノー」の意志表示をしたのです。イラクではアメリカの侵略以来、イラク人が3万人も命を奪われています。日本に対しては沖縄海兵隊のグァム移転費用8550億円を負担させようとしています。そしていま、アメリカいいなりと大企業の利益中心の政治がもたらした国の財政悪化にどう対応するかが鋭く問われ、政府はそのツケを地方政治と国民に押し付け、打開しようとしています。地方に対しては「三位一体」という言葉ですすめられている地方交付税や国の負担金・補助金の削減であり、国民に対しては増税や社会保障費の負担増です。

小泉改革のもたらしたもの
 一方、小泉改革がすすめてきた極端な民営化、市場主義化、競争至上主義のために、日本社会は治安のよさや礼節を重んじる歴史と文化が壊され、殺伐とした弱肉強食、格差社会の様相を強めています。郵政民営化だけを争点とし、増税はしないといっておきながら、選挙に勝てば簡単に公約を破る政治、日本を壊しつつある自民党政治に、いま国民のなかから大きな疑問の声があがってきています。  自民党政治の本質を知るキーワードは、靖国参拝に象徴される過去の侵略戦争の正当化、アメリカいいなり、極端な大企業中心、この三つです。この自民党政治のいいなりになっては地方に明るい展望は見えてきません。新年度予算編成の前提は、こうした自民党政治の本質を見据え、市民の暮らしを直視することです。

市民の暮らしをまもる
 国保税の滞納世帯が二割という状態は、景気の回復が市民生活とはかけ離れたところの話であることを示しています。この点で、保険証一枚で医者にかかれる皆保険制度の一環としての国保制度を守るためにも加入者への支援を強めること、同時に介護保険利用者や障害者の負担増に気配りをし、心配されている介護レスの増加や障害者とその家族の不安を解消する支援策を強めることを求めます。

自然エネルギー発展の方向
 市が導入した小水力発電施設はどうして注目されたのでしょうか。それは日本政府の自然エネルギー利用計画が先進国のとりくみから大きく遅れているからです。先進国はそれぞれ温暖化ガス排出削減目標に基づいて自然エネルギー導入目標を決め、たとえばEUは自然エネルギーの割合を2010年までに22%と決めているのに、日本はわずか1・35%に過ぎません。こうした背景のもとで都留市がこの機会に求められているのは、温暖化対策にたいする小水力発電の意義と数値的な貢献度を明らかにし、これをどう発展させるのか、方針を具体化することです。自然エネルギーとしての太陽光発電や家庭用小水力発電の導入について、目標を決めてとりくむことが必要です。


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