大企業中心主義におびやかされる市民生活

 党大会の決議案が発表されてから、マーカーやペンでなぞりながら読み返しています。
 決議案は一昨年の大会で改定された綱領をもとに、あらためて政治の現状を鋭く告発しており、先々週、「みなさんに読んでいただきたい」と書いた、その思いはいっそう強まります。

格差の大きい「豊かな日本」
 決議案は自民党政治の異常な三つの特質を指摘し、その三番目に「ルールなき資本主義」=「極端な大企業中心主義」を上げています。
 大企業中心主義とは国民生活を後回しにするということですが、それが作り出している深刻な現実、これが想像以上になっていることを浮き彫りにしています。
 ――雇用と所得の破壊、中小零細企業の倒産・廃業・経営難がすすむもとで、90年代末から貧困と社会的格差の新たな広がりが重大な社会問題となっている。
 「生活保護世帯は百万世帯を突破」「教育扶助(生活保護)・就学援助(生活保護に準じる水準世帯の児童・生徒におこなう給食費や学用品の援助)を受けている児童・生徒の割合は、12・8%とこの十年で二倍以上に」「貯蓄ゼロの世帯が急増し、23・8%に」「年金はわずか月数万円、貯蓄もないという高齢者が増えている」と具体的です。
 日本は豊かになったといわれていますが、その実体は大変な格差社会になっていることを示しています。
 ――国際比較でみても、日本における貧困層と社会的格差の広がりは顕著である。OECD(経済協力開発機構)の調査では、日本の貧困率(全世帯の年収の中央値の半分以下しか収入のない世帯を貧困としてその人口比を出したもの)は、15・3%に達している。貧困率は、調査した加盟25カ国のなかで第5位で、OECD諸国の平均10・2%を大きく上回っている。

深刻な社会のゆがみの進行と…
 格差のひろがりと低水準な社会保障が生み出すものは深刻な社会不安です。
 ――経済苦による自殺の増加が、重大な社会問題になっている。「勝ち組・負け組」を当然視し、社会的弱者にたいする攻撃に痛みを感じない風潮が生まれている。高齢者や子どもの虐待、家庭基盤の崩壊、犯罪の増加など、社会の病理現象が深刻になっている。その一方で、ぬれ手で粟(あわ)の錬金術で大もうけしている投資家たちがもてはやされる現象が広がっている。
 少子化がすすみ、日本社会の基盤をゆるがす重大問題となっている。…根本には、不安定雇用の広がりと異常な長時間労働、増税にくわえ出産・育児・教育などの経済負担の増大、子育ての社会的環境の悪化など、大企業中心主義の政治がつくりだした社会のゆがみがある。
 これらは、漠然とではあっても誰もが感じていることではないでしょうか。そして今週の「赤旗」日曜版7ページの記事、「所得格差社会」は「健康格差社会」にも連動しています。
 大企業中心主義から国民生活中心主義に、世論づくりが急務です。


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