正念場となる3期目の小林義光市政

 総選挙と9月議会の報告などをしている間に、私の主戦場である市政で市長の無投票3選が決まりました。県内で連続3回無投票は初めてだそうです。
 新聞が「老人クラブや連合婦人会など八十団体以上から立候補要請を受けたほか、地元選出の二県議、共産党を除く市議二十一人から支持を取り付け」と書き、政治勢力としては共産党が唯一の反対勢力であることが浮き彫りにされました。にもかかわらず、市政に直接たずさわる議員として、対立候補を立てられなかった力不足を党支持者と「赤旗」読者のみなさんにお詫びしなければなりません。
 その上で、あえて小林義光市政について検討してみたいと思います。

2期8年をふりかえる
 小林義光市政の2期8年をふりかえると、前都倉市政の後始末=借金の返済に腐心しながら、引き継がざるを得なかった課題である大学前駅設置、国道バイパス建設などを進めましたが、国の方針に沿って強引に進めようとした市町村合併は不調に終わりました。いろいろな施策は合併を実現した上でと考えていたとすれば、合併不調は市長にとって大きなつまづきでした。そうでなくとも失政であったことは明らかです。
 地域振興では農業のアグリビジネスと商業振興に少し手を出す程度の策は講じていますが、先行きは不透明で、報道では企業誘致に期待しているようです。全体としては国の方針の取り込みが施策の中心です。
 共産党議員としての私の評価は、これまでの予算や決算の討論のとおり、暮らしを守る視点から厳しくならざるを得ません。とくに県下でトップの国保税滞納者からの保険証取り上げ数の問題があります。月1日から介護保険の食費、居住費が保険適用外になったことにより、特養ホームや老健入所者の負担は大幅に引き上げられ家族から悲鳴が上がっています。

大きくなる暮らしを守る役割
 こうした福祉切捨てに悩む市民を市政がどう見るか、援助の手を差し伸べるのかどうか、国が「自立自助」などとさらに福祉の切り捨てを強行しつつあるなかで、市政が3期目に問われる大きな課題です。
 そればかりではありません。いま政府は庶民大増税をくわだてています。市政が国の政治に追従するなら、大増税のターゲットとなる多くの市民の暮らしにも関心を払わないことにつながります。これでは市政は市民の暮らしの防波堤とはなりえません。
 市長はスマートシティをめざすと言いますが、むしろ市民は暮らしを守るために泥臭くがんばる、地を這うような努力をする市政をこそ求めているのではないでしょうか。
 市政は自己完結できるものではありません。国の動向を、緊張感をもって見守る必要があります。郵政民営化一本に絞って選挙を戦いながら、終わるや否や大増税、憲法改悪、米軍基地の再編強化など矢継ぎ早に打ち出す小泉政権です。軸足を国の方針に置くか市民の暮らしに置くか、3期目の小林義光市長の正念場ではないでしょうか。


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