9月議会報告6 決算認定反対討論2
市政は「市民の暮らし第一」に
「滞納者はずるい」は行政の逃げ
これだけみても、市民生活の悪化は明らかです。市営住宅家賃の滞納者など、一部の例を取り上げて「滞納者はずるい」という前提に立ったのでは、市民生活の困難が理解できないばかりでなく滞納問題も解決できないのではないでしょうか。
その上で検討してもらいたいのは国保の資格証明書の発行問題です。国保税を一年間滞納すれば保険証が取り上げられ、代わりに交付される資格証明書ですが、その発行件数は130件、前年より33件減っています。これは職員の努力の結果ですが、ここから先は政治判断です。お金がなくて病院にかかれない、命に関わる事態をどう考えるか、真剣に検討していただきたいと思います。
男女共同参画を画餅にしない
私はこれまで男女共同参画は、前提として男女同権であるべきだと主張してきました。同権でないものが共同参画などできないと考えるからです。
決算審査のなかで女性課長がいないことについて質しました。市は「男女の区別なく課長試験の門戸は開かれている」といいます。これが市の見解だとすれば女性課長の採用と男女共同参画は別問題だということになります。それではまったく条例には魂が入っていないというべきではないでしょうか。
全国に先駆けて制定したと自慢する市の「男女共同参画基本条例」には「事業者の責務」として「その事業活動に関し、男女共同参画社会の実現に勤めならければならない」とし、「市は、事業者等に対して、女性の参画状況について報告を求め、公表するとともに必要に応じ事業者に対し働きかけを行うものとする」としています。市役所を一事業者とみれば分かりますが、これは矛盾であり自家撞着といわざるをえません。すべての事業者が「女性の昇進のための門戸は開いています。差別はせず平等です」と答えればよいことになります。それでは女性の幹部はいつまで待っても誕生しないでしょう。
そもそも一つの課題に取り組むときは、その課題の意義を明確にし、そのうえで達成目標と達成日時を明確にすることが当たり前です。そして論議を通じて課題達成の障害を明らかにし、解決を図るものです。「かくあらねばならない」と言うだけなら、思いつきや真似事で何でも言えます。男女共同参画はそう簡単なものではありません。まず、市当局が、その意義を深くつかむ必要があるのではないでしょうか。
実生活にどれだけ役立つか
最後に、一般質問で地震対策をとりあげました。行政の仕事の一つに啓蒙という役割があると思うからです。仕事として情報を手に入れる立場、情報入手の優先順位を与えられている行政は、生活の糧を得るために働き情報量の不十分な市民に対し、情報を生かして安全と利益を保障する責任があると思います。地震対策だけでなく、すべての部署の職員がこういう立場で仕事に当たることを期待し、討論を終わります。