ウソも百遍言えば本当になる?

 小泉首相の「郵政民営化は改革の本丸」演説をテレビで見て、力んだ姿がいつかテレビで見たヒトラーとダブりました。しかし、熱に浮かされたような画面を見たせいか、こちらの頭は冷めました。

期待されていた構造改革とは
 構造改革とは何だったのか、考えてみました。もともと漠然としていましたが、現実に国・地方で抱え込んだ大きな借金を返済し景気を回復する、行きづまりを打開することは当然の政治課題でした。官僚の天下りによる政財界の癒着、年金や医療保険の財政健全化なども解決を迫られていました。方法では意見が分かれるにしても解決しなければならないことは誰もが認めるところでした。
 三段論法みたいですが、このことが確認できたとして、小泉首相の「改革」はどう評価されるのでしょうか。

破綻が明白な「小泉改革」
 借金は減ったでしょうか。借金を減らすためには色々と改革し節約をしなければならないと、上杉鷹山まで引き合いに出され、医療、年金、介護など、国民の負担増が強行されました。大銀行の不良債権処理には国の十分な手当てがされた一方、中小金融機関や零細業者の悲惨な犠牲が伴いました。しかし、国の借金は減るどころか増え続け、さらに大増税が計画されています。これだけで「小泉改革」は破綻したというべきではないでしょうか。 
 官僚問題はどうでしょう。天下りがもたらした鋼鉄の橋の入札談合事件に小泉首相は何のコメントもしませんでした。小泉首相の「官から民へ」とは官僚の天下りのことだとすれば非常に分かりやすい表現です。いわゆる刺客候補に多くの官僚を立てたことで、官僚対策など頭になかったことも確認されました。
 そして小泉首相が特権階級として描き出した公務員は、なんと郵便局の現場で働く人たちでした。「常勤の国家公務員26万数千人。そのほかに短時間公務員が約12万人。あわせて38万人の国家公務員が、郵便局の仕事をしています」。誰が12万人のアルバイトやパート労働者を国家公務員と思っているでしょうか。いずれにしても、ひっくるめて首を切り「小さな政府」を宣伝する作戦です。そしてヒトラーの「ウソも百遍言えば…」を思い起こしたのはここでした。

総理大臣が、まさかウソを
 そもそも郵政事業には公社になる前から公費は一円もつぎ込まれていません。民営化しても節約にはならないのです。そのことは国会審議でとっくに明らかにされています。しかし、多くの国民はそんな事を知りませんし、肝心な問題で一国の総理大臣がウソをつくとは思いもしないでしょう。
 日本共産党の一橋大学後援会のクイズ方式の対話がそれを証明しました。「郵政に税金が使われているか」。25人のうち24人が「使われている」と答えました。ウソが通用する下地が広く存在するのです。
 有権者がだまされたまま投票するのを見過ごすかどうかです。読者のみなさん、ぜひ、まともな世論づくりにご協力ください。


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