求められる市政のレベルアップ
先月(5月)の「広報つる」をご覧になったでしょうか。気になりながら取り上げるのが一ヶ月遅れになってしまいました。
市民の判断、認識の高さに納得
気になったのは2~3ページに載っている、長期計画策定のための市民意識調査の結果です。2ページの「住みよさについて」のグラフで「住みよい」が大幅に減ったのは残念ですが、問題はその右のグラフです。
プラス評価は「歴史と伝統」「人情の豊かさ、親切さ」「水や緑などの自然の豊かさ」「住環境のよさ」の4項目、どれも行政評価には関係ない項目ばかりです。小数点を一つ下げて20点満点で見ると、トップは「人情の…」が17点です。続いて住環境…」が10点、「水や…」が9点、「歴史…」が6点です。
まず、この認識に正直、驚きました。もちろん、その的確さに、です。
都留市民はなによりも人情が豊かで親切、満点に近い。この市民性は私たちの大きな財産、誇りとしてよいでしょう。
「住環境」というのは範囲が広く、やや抽象的ですが、なんとなく納得できます。
「自然の豊かさ」はどうでしょう。高い評価であることは間違いありませんが、自然の恵みよりも都会らしさを好む人もいますから9点というのは妥当なところでしょう。
「歴史」は私たちの精神的な支えになっていますが、他との比較で見る必要もありますから6点というのは「それなりに高い」評価といってよいでしょう。
問題はマイナスになっている項目です。
正面から受け止める必要が
「まちの活気」マイナス13点、「生きがいある仕事場」12点、「新しい情報の得やすさ」10点、「学習ができる機会」9点、「交通の便利さ」と「医療や福祉での安心感」が8点、「スポーツができる機会」と「遊びや付き合いの楽しい場」が7点、「買い物の楽しさ」が5点、「買い物の便利さ」が2点です。
1・2位のテーマは地域経済の問題です。不況のもとで、みんなが心を痛めている課題です。このテーマについては、これまで公共事業で土建業者の仕事を増やすとか企業誘致を図るなどの経験はありますが、その他の業種については検討が始まったばかりといってよいでしょう。郡内織や、谷村大堰などの灌漑事業の歴史を思うとき、いま地域起こしに求められる行政のリーダーシップは何か、真剣に考えなければ後世に笑われます。
「新しい情報の得やすさ」、設問の意味がよく分からないのは私の勉強不足でしょうか。どういう分野のどんな情報なのでしょう。
「学習できる機会」、趣味・教養といった意味での学習であれば、教育委員会が発行した「平成17年度 生涯学習ガイドブック」は学ぶ場を網羅していますから、参考になるのではないでしょうか。
言うまでもなく「交通」や「医療・福祉」は避けて通れない、暮らしを守る中心課題です。
自然や歴史、人間は良いが行政は課題ばかりという市民の評価を謙虚に受け止め、よく検討して長期計画に答を示してもらいたいものです。