12日、NHKが憲法についての世論調査の結果を報道しました。予算反対討論の途中ですが、見逃せない世論調査なので今週はこれについて検討したいと思います。
「全国の20歳以上の男女を対象に… 58.9%にあたる、1262人から回答」。
逆算すると2143人中4割以上、881人もの人が回答しなかったことになります。
「改憲」が圧倒的多数?
回答の中身を見てみましょう。
改正する必要がある 48%
改正する必要がない 16%
どちらともいえない 31%
これでは「改憲」が「護憲」を圧倒しているではありませんか。心配になりました。
次は「改正が必要」と答えた人の理由です。時代が変わって対応できない問題が出てきたから 79%
国際社会での役割を果たすために必要だから 12%
アメリカに押しつけられた憲法だから 7%
「これは誤解がかなりあるな」と、少し希望が出てきました。
「9条」では反対が多数
中間の設問はとばして、一番肝腎の9条についてです。
改正する必要があると思う 26%
改正する必要はないと思う 36%
どちらともいえない 31%
希望は、さらにふくらみました。
その先、「改正する必要がある」と答えた人の理由です。
@自衛力を持てることを憲法に明記すべきだから 43%
A国連を中心とする軍事活動にも貢献できるようにすべきだから 40%
B同盟国とともに海外での武力行使が行えるようにすべきだから 12%
この辺に「読み方」のカギがありそうです。
@は、現にある自衛隊を憲法に位置づける、追認することになります。
Aは、「国連が起こす行動なら正義の行動だ」という前提に立った考え方でしょう。
この二つの考え方の人とは話し合いの余地があると思います。
改憲派のねらいを見抜けば
問題はBの「同盟国とともに海外での武力行使が行えるようにすべきだから」という考え方です。自衛隊のイラクのサマワでの活動は生ぬるい、「アメリカと一緒に」軍事行動をすべきだということです。これはそのまま改憲派の本音です。こういう人が12%?
数え直してみました。1262人のうちの「9条改正に賛成」26%の中の12%、単純な:計算ですが、全体から見れば3.12%、39人(2143人から見たら1.8%)に過ぎません。
ここに改憲派のジレンマと私たちの運動の展望があります。善意で「憲法は古くなったのでは」とか「自衛軍を持つのは当たり前では」と考えている人たちに、「日本国憲法の新しさ」と「改憲派の本当の狙い」を語れば意見は一致するはずです。私たちの運動のあり方、「平和を願う思い」が試されます。