3月議会報告 定数削減反対討論

極端に細くなる市民とのパイプ

 この議会、歴史を画する決定がありました。議員の定数削減を議会自らが提案し決定したのです。今週は私の反対討論です。


 議員定数の大幅削減に反対する討論を行います。
 議員定数は法定数において30から26に減らされた経過があります。

30から22に減らして…
 法定数30の時代の昭和46年、都留市はおそらく全国に先駆けて22と大幅に減らしました。この減数は周辺に見られない削減でした。以来34年たちますが、この削減によって市議選に出馬するためには大きなお金がかかるといわれるようになり、商店街、市中心部、女性などの代表が議会に進出することを極めて困難にしました。
 定数が22になった後、議員のいない市中心部の人たちは議会を軽視し、議員を自分たちの代表と認めない風潮さえ生じさせました。

さらに26を18に減らせば
 今回の特別委員会の結論は定数を18に減らすというものです。法定(上限)数26に対して実に3割も減らすことになります。そもそも議会は市の執行部との間で一定の緊張関係にあることが求められます。独自に政策提言もしなければなりません。そういうなかでの定数の大幅削減は議会の政策立案能力を後退させ、民意の反映という役割も低下させざるを得ません。また、執行部に対するチェック機能を低下させ執行部の独走を許す危険性も増します。地方自治に関わる識者は、定数削減は議会の自殺行為であり民主主義の機能を低下させると警鐘を鳴らしています。


どれほどの節約になるでしょうか
 今回の定数削減は経費削減にからませて議会自らが提案しています。しかし、議会経費は民主主義の必要経費というのが常識であり、総予算に占める議会費の比率は1.5%程度に過ぎません。定数を減らして節約できるわずかな経費は議会の役割を後退させることと秤(はかり)にかけられるべきものではありません。100歩ゆずって議会としての姿勢を示すとしても、法定数との比較で3割という削減幅は大きすぎるのではないでしょうか。以上、反対討論とします。

定数削減で失う優秀な人材
 国は公共事業の借金のツケを地方行革=市町村合併など自治体リストラという形で住民に回していますが、地方議会についても地方行革指針で「自主的に組織・運営の合理化等をすすめること」と、定数削減の圧力をかけています。またこれに呼応する形で松下政経塾などが少数精鋭論をふりまいています。
 しかし、定数を減らせば精鋭になるでしょうか。市内には多くの優秀な人がいますが、選挙には出ません。22に減らしてから選挙にお金がかかるようになり、逆に優秀な人材は議会から逃げているというのが現実です。さらにこの上の大幅削減…。この機会に議会とは、議員とは何か、考えてみたいものです。


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