3月議会報告 一般質問2

「冷たい政治」を意識しない冷たさ

資格証明書は病院に行くなと同じ
 過日、民間の社会保障に関係する団体から県内自治体の国民健康保険についての調査結果を示されました。そこには市町村別の滞納世帯数、資格証明書と短期保険証の発行数が記されていました。ともに国保税を滞納している世帯あてに発行されるものです。特に資格証明書は国保加入世帯であることを証明するというもので、病院にかかるとその場で医療費を全額払わなくてはなりません。しかし、国保税が払えない世帯が医療費の全額が払えるでしょうか。実質的には病院にいくなというに等しい措置といわなければなりません。

発行数、都留市はダントツのトップ
 示された一覧表で見ると、都留市は資格証明書の発行が昨年6月時点で163件と旧7市でダントツのトップです。甲府市の96件、韮崎市の81件と比べても異常な多さです。山梨市、塩山市、富士吉田市、南アルプス市ではゼロです。昨年6月の資料ですから、南アルプス市のほかの新しい市は誕生していませんが、町村で資格証明書を発行しているところは本当にわずか(7町村)です。郡内では富士河口湖町と忍野村だけです。小さな自治体では一軒一軒の事情が分かり、国保税を納められない事情も分かるからだと思います。  この数年、国保税の滞納世帯が約15%、1000世帯前後で推移しているのを見れば、市民生活の困難はよく分かるはずです。国・県の指導のままに滞納世帯から保険証を取り上げるのではなく、せめて短期保険証を交付したらどうでしょう。これまでもこの問題は取り上げてきましたが、国が新たな国民負担を計画しているもとで、市の考え方を問うものです。

【市長答弁要旨】
 相談や手続きがあれば短期証を交付する
 資格証明書は、保険者(市)が法の規定に基づき税を滞納している世帯主に対し被保険者証の返還を求め、それに代わるものとして交付するもので、被保険者資格を有することを証明する書類。この措置は昭和62年1月に老人医療費の公平な負担の理念を踏まえ、被保険者間の負担の公平化を図るとともに、悪質な滞納者対策の一環として設けられたものであり、その後、介護保険制度の導入を機に、滞納者に対する実効的な対策を講じる観点から義務化された。  本市では平成13年4月から施行された実施要綱により、収納期間8期のうち、過年度、現年度を含め4期以上の滞納世帯には、短期保険証を交付し分納指導を行なうとともに、過年度、現年度を含め1年以上納入事実がなく、かつ、弁明の機会による弁明書の提出もない世帯に対して資格証明書を交付している。納税相談や特別事情等の届け出の手続きをしていただければ短期保険証を交付している。今後はそれらの手続きに理解をいただき、また応じていただけるよう一層の相談業務の充実を図りたい。
 (相談に来ない、手続きもしない市民が悪い? 悪質な滞納者が多い? 国が決めたとおり?でも、ほかの自治体との違いはなぜ?)


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