息抜きに野鳥観察はいかがでしょう
正月に川茂ダムの水鳥のことを書きました。今週はひさしぶりに野鳥について。
シメがきて安心する
毎年、冬の訪れを告げる鳥とされるシメを見るのは厚原です。厚原の大幡川沿いは手軽な野鳥観察の場です。朝、新聞配達の帰りに通るとスズメ、ハシボソガラス、セグロセキレイ、キジバト、ホオジロ、カシラダカ、カワラヒワ、ツグミなどが見られます。
先日は高い木の天辺(てっぺん)にチョウゲンボウがいるのを見ました。チョウゲンボウはハヤブサ(小型のタカ)の仲間で、停空飛翔をします。木にとまっているのを見たのは初めてでした。この時期、カワラヒワの黄緑が鮮やかになることも分かりました。春、繁殖の季節の訪れに関係があるようです。この鳥は数が少なければ珍重されるだろうと図鑑にありましたが、本当にきれいな鳥です。
肝腎のシメがなかなか見られず、この冬は渡って来ないかと諦めかけた今月の10日、ようやく登場しました。しかし双眼鏡で確認するや、すぐにどこかへ飛んで行ってしまいました。愛想のない鳥です。
餌台にきた鳥たち
今月になって庭の梅の木に餌台を設置しました。数日するとリンゴを食べにヒヨドリが来ました。1羽、ときに2羽です。そのうちにようすを見ていたスズメも来るようになりました。ヒヨドリが来るとスズメは梅の枝に退避します。あるいは落ちた餌をついばみに庭に降ります。
ある日、餌台周囲が急に華やいできました。
初めにシジュウカラが1羽来ました。スズメが餌台からいなくなるのを見計らって餌台に乗り、餌をついばみました。しかし、すぐに梅の枝に移り、どこかへ行ってしまいました。次に来たのはつがいのメジロでした。梅の木の根元で、ヒヨドリがあらかた食べてしまったリンゴの残りをつついていました。
驚いたのはそのあとです。なんとシメが餌台に来たのです。一旦逃げたスズメはすぐ戻り、まわりの梅の枝から餌台のシメを取り囲みました。シメは餌を食べながら威嚇していましたが、多勢に無勢でついに退散しました。
シメはアトリ科の鳥で全長19p、翼開長31p、モズくらいの大きさです。太いネズミ色のくちばしが特徴ですが、餌台に来たシメはくちばしがピンクがかっていました。
主役は何といってもスズメ
色々な鳥が去ったあとはスズメの天下、10羽ほどで餌台は一気に賑やかになりました。2、3羽のときはまわりを気にして食事に集中できないようでしたが、10羽くらいになると見張り役がいて、そのほかのスズメは夢中で餌を食べます。アワやヒエをはね飛ばしたり、お互いにつつきあったりの食事風景です。
ヨーロッパでハトのように人のそばに寄って来るスズメはイエスズメ、日本のスズメはヤマスズメだそうで、人のそばにはなかなか来ません。それでも人の住むところにしかいないといいますし、誰もが知っている鳥です。
忙しい毎日、たまにはスズメでもゆっくり見てみませんか。