政治が変われば暮らしが変わる
先週、鳥取県の片山善博知事のことを書いたら16日(日)の日刊「赤旗」にも片山知事のことが載りました。「どこまできた個人補償A阪神・淡路大震災10年」。
言いたいことはタイトルのとおりですが、「違い」はこんなにも具体的なんだと思うと、ため息が出ます。日刊読者だけの情報にしておくには惜しい内容ですので、今週はその要点を紹介させてもらいます。
知事の決断に町が続く
鳥取県西部を襲った大地震は阪神・淡路大震災の5年後、2000年の10月でした。M7・3、全壊家屋391棟、半壊2470棟、一部損壊は約1万3000棟、「その多くは高齢化の進む中山間地。震度6強の揺れを記録した震源地の日野町では町の1570世帯の全部が、隣の溝口町でも全世帯の7割に住宅被害が出ました」。
誰しもが人口の流出を懸念するなか、片山知事は「震災からわずか11日後に、住宅の建設には300万円、住宅補修には150万円を、石垣やよう壁の復旧に150万円(いずれも限度額)という支援策を打ち出しました」。災害の住宅被害に自治体が個人補償するのは初めてのことでした。
「溝口町はこれに町独自に100万円を上乗せし、年収250万円以下の低所得世帯に計400万円を支給」しました。
復興した町、復興しない町
町の1570世帯の全部が住宅被害を受け、全半壊570戸という最大の被害を出した日野町は県の住宅再建支援策が復興の決め手となり、被災から3年後の2003年11月に「復興宣言」をしました。
政府は阪神・淡路大震災のときに「個人財産の補償は私有財産制のもとではなじまない」などと国会で答弁し、住宅再建への支援を拒否していました。
17日は阪神・淡路大震災から満10年、テレビが特集を組んでいました。さすがのNHKも政府ベッタリの内容にはできなかったようで、「生活が元に戻っていない」ことを強調していました。アナウンサーの上田早苗さんはご自身が震災を体験しただけに被災者に心を寄せているようすが分かりました。
6433人という大きな犠牲のうえに孤独死が560人(兵庫県警)というような数字を見ると「苛政は虎よりも猛し」という言葉を思い起こします。住む所を簡単に変えるわけにはいきません。政治を住民本位に変えなければ、いざというときにひどい目にあうことを教えています。
ロサンゼルス市は600万円
ロサンゼルス地震は阪神・淡路大震災の一年前の同じ日でした。現地視察した政府与党議員は崩壊した高速道路を見て「日本の公共施設はこんなにもろく崩れない」と言いました。一年後に、その自信は公共施設とともにまさにもろく崩れたのです。ロサンゼルス市が住宅補償に600万円出したことも忘れられません。「あのアメリカでさえ」と驚きでした。日本政府はアメリカに追従はするが、いいところは真似をしないのです。