3月議会 一般質問(1)
十日市場夏狩湧水の活用を
市長の農林産物直売所建設構想を受けて、昨年は議会も関係施設を視察し、その中の成功例であります、長野伊那市からグリーンファーム会長の小林史麿氏を招き講演、指導をしていただきました。
まずは地元の人が楽しむ
講演はその体験が生き生きと語られ、大変有意義で聴衆に確信を持たせるものでした。
小林史麿氏は「生産者は消費者」とか「売るものはどこにでもある」など、成功のためのキーワードをたくさん教えてくれましたが、私はその後の質疑で強調された「観光客を相手にモノを売るというよりも、まずは地元の人が集まり楽しむ場にすることが大切だ」という言葉にわが意を得た思いがしました。
この言葉が印象に残ったのは2009年の7月に「採茶使会」主催のシンポジウムに見えたアナウンサーの国井雅比古さんが同じ趣旨の話をされ、そのことを私は何度も委員会で使わせてもらってきたからです。このときの国井さんの講演は「ふるさと都留を思う」でしたが、都留市については何も語りませんでした。全国の地域おこしの祭りなどの成功例を語り、そこに共通していることは「危機感が知恵を生む」ということだったと記憶しています。「町を愛し、その魂、核づくり、感動が必要」と説きました。そして小林氏同様に「よそから人を呼ぶことよりも、まず自分たちが祭りを楽しむこと」を強調されました。
都留市にもある成功例
そして、その経験は都留市にもあります。それは1980年に、当時の青年たちが始めた「八朔80inつる」の舞台です。夜店だけのお祭りになっていた八朔祭をなんとかしようと、「私たちの町は私たちの手で」をスローガンに舞台を設定し自分たちが舞台に立ちました。この舞台は昨年が35周年でした。
最初に舞台が設置された場所は城南公園でした。これを市の広報担当が見て感激し、青年たちの奮闘に応えた行政の支援と市独自の取り組みが始まりました。大名行列が復活し、屋台が復元されました。時代祭りに発展しました。2年前に谷一小の体育館前に舞台が建設されました。
国井さんが言う、「町を愛し、自分たちが楽しむという魂が入った核」が作られたことが「八朔inつる」が大きく役割を果たしたカギではないでしょうか。
「湧水祭り」を提案
そこで提案です。こうした経験と国井さん、小林さんの講演を力に、十日市場夏狩湧水群を生かすために「湧水祭り」を開催することです。
市外からのお客を意識して立派なパンフレットを作っても、市民が湧水を知らない、楽しまないというのでは本末転倒です。
地域の力を集める、行政が支援する、都留大の先生など専門家の意見を聞く、いろいろな知恵と力を集中すれば、都留市には成功させる力があると確信します。そしてその成功は農林産物直売所の成功にも生かされると思います。検討を求め、答弁を求めます。