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9月議会 決算認定反対討論(1)

市政を取り巻く情勢

 今週から2013(平成25)年度決算認定反対討論を連載します。


 初めに、いまの情勢の特徴を4点あげます。一つは東日本大震災です。あれから3年半、故郷を追われた避難者はいまだに24万人、仮設住宅暮らしは19万人、原発で故郷に帰られない人が12万人もいるといいます。東日本大震災も原発事故も収束していません。同胞の苦しみを見て見ぬふりすることは政治としても国民としても許されることではありません。

 二つ目は沖縄の新基地建設反対運動の高まりです。沖縄知事選挙を前に、保守革新の立場を超えてオール沖縄の状況が作られています。この基地反対運動の高まりは安倍内閣の集団的自衛権行使容認の閣議決定で「日本が戦争する国になるのではないか」という国民の懸念と結び付くことによって本土と沖縄の連帯がすすみ、さらに発展するでしょう。

 三つ目は米価です。秋の収穫の時期、本当なら豊作を祝う季節であるにもかかわらず今年の農村は極めて深刻です。生産者の米価となる農協の「概算金」(年内支払い価格)が全国的に発表されていますが、米の生産にかかる費用(60キロ1万6千円)の半分にも満たない7千〜8千円台の産地・銘柄が続出しています。暴落は“過剰米”がでているのに、安倍内閣が「価格は市場にまかせる」という政策をとっているため先安感がでて、投げ売り状態となっているからです。食料自給率や農業を守ることは安倍内閣の眼中にありません。公約を平気で破ってTPP交渉に走ったことにも国民の怒りが高まっています。

 四つ目は経済の落ち込みです。4月の消費税8%への引き上げで景気は一気に落ち込み、7〜9月期のGDPは年率換算で7・1%も後退しました。国民は物価や社会保障費の負担増に悲鳴をあげています。さらに来年10月から10%に増税などとんでもないというのが国民の声です。

 こうした国民の苦難と世論をよそに安倍総理は野放図に外遊を繰り返しています。その数は、9月の南西アジアのバングラデシュ、スリランカ訪問で、歴代首相でトップとなります。2012年12月の第2次政権発足以降49カ国となり、現在1位の小泉純一郎元首相の48カ国を抜きました。ただし、小泉氏は5年5ヶ月かけて行ったのに対し、安倍総理はわずか2年にも満たない期間です。国民の税金を使いながら、多数の大企業関係者を同行するトップセールスです。それも、東日本大震災の原発事故がなかったかのような原発輸出、国民の平和の願いを踏みにじる武器輸出協力中心の売り込みで、国民の暮らしは二の次、三の次です。「大企業のための政治」がよく分かる外遊です。
 安倍内閣の政治が長く続けば国民の不幸が長く続きます。この内閣は一刻も早く終わらせなくてはなりません。日本共産党はそのために全力を挙げます。
 (つづく)