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9月議会 一般質問(1)

井倉第二土地区画整理事業について

 今週から一般質問について連載します。
 最初は区画整理事業についてですが、このテーマを取り上げるのは昨年6月議会以来、3回目です。今回は事業の性格について私がたどり着いた結論をもう一度ぶっつけてみました。

  なぜ組合の事業としたか
 これまでこの事業について、市の事業か組合の事業かという論議がありました。全国で行われた類似の事業でもその主体が地方公共団体の場合と組合の場合に分かれるようです。ある識者は「地方公共団体が直接行うと反対住民などの矢面に立ち、事業がなかなか進まないため、地域住民に土地区画整理組合を設立させて事業を行わせる場合が多く、その場合、市町村の職員が組合事務局に派遣されて、事業が進められることが多かったため、実質的には、市町村施行と変わらない」と指摘しています。
 そして、都留市の場合、識者が言う、市が「反対住民などの矢面に立つ」ことを避けつつ、市の負担金や貸付金の形を取って公費の投入額を安く見せ、やりやすくするという作為が感じられます。つまり、負担金や貸付金というお金の出し入れによって事業の性格が複雑にされていますが、市の直轄であれば経費はすべて公費です。事業の総額は15億円に近く、市の事業として行えば、もっと早い段階、計画段階で相当の論議が起こったと思われます。ところが組合の事業だということで当該地域の問題に矮小化され、議会においても本格的な論議になったのは昨年6月定例会からでした。

  誰が利益を得る事業か
 この事業を市の事業だと考えれば、この事業の性格がよく見えます。貸付金を含めて投入する大きなお金で利益を得るのは誰でしょう。組合員である地主は、もともと持っていた土地を減歩によって減らし、土地の性格が農地から宅地に変わります。それが利益といえるかどうか、また利益につながるかどうかはまだ分かりません。結局、はっきりした利益を得るのは進出が予定されているカインズホーム、岡島食品館、オートアールズ、ウェルシアです。何の交渉もせず優良な商業地を手に入れることができます。出店のための投資額は自分たちで行うよりも相当安く上がると思われます。つまり、この事業の最大の目的は大型店を呼び込むことであり、利益を手にするのは市外資本の大型店だということが分かります。

  こんな税金の使い方許されるか
 しかし、何度も言うのですが、市民のために使うべき税金、公費を、市外の大手事業者を呼び込み、地域の事業者を苦境に追い込むことに使うことが許されるものでしょうか。田原の区画整理事業のさいにも核店舗ということで市外の大型スーパーを呼び込みました。しかし、田原では大学前駅を設置するという大義がありました。今回の区画整理事業には何の大義もありません。この際、改めて市長の見解を問うものです。