最低保障年金のない国で
昨年9月議会の決算認定討論で、最低保障年金について触れました。
ー年金の保険料の収納率が64%台というのは市民生活の将来と日本の社会保障の崩壊を示す数字です。こうした現実に危機感をもたず、国政を信頼するだけでは市民の生活を守ることはできません。1カ月ほど前、NHKのラジオ深夜便でフランスからの情報で、世論調査で高齢者の89%、恐らく病気などの人を除くすべての高齢者が幸せだと答え、30%の高齢者は大変幸せだと答えたそうです。最低保障年金制度で老後の暮らしが守られているからです。ー
年金削減許せない!
民医連 (全日本民主医療機関連合会)の機関誌「いつでも元気」は写真雑誌です。わずか50ページ余りの雑誌ですが、とっつきやすく分かりやすい情報提供は「赤旗」日曜版と双璧をなすといった感があります。併せて読むことで話題に事欠きません。その7月号で年金が特集されました。
今年の初め、12万6642人の年金受給者から「行政不服審査請求書」が提出されました。これは年金の削減と今後の削減計画に抗議する行動です。この記事の中で削減の中身について解説されています。
ー年金を3年で2・5%削減することが決まったのは、2012年11月、衆院解散前に、民主・自民・公明が合意して可決されました(維新も賛成)。昨年10月に1%削減したのを皮切りに、ことし4月にさらに1%(物価・賃金などの上昇で、実際は0・7%)削減、来年4月にも0・5%削減する計画です。
さらにその後も、マクロ経済スライドの発動で、1年に1%ずつというとんでもない削減がねらわれています。ー
各国の最低保障年金
最低保障年金とは「掛け金なしで受け取ることのできる年金」です。その国に住み続けることが条件で、その期間は国によって違いますから一律に比較できませんが、冒頭のフランスの世論調査の数字でみると普通の人は相当豊かな生活ができているようです。
「いつでも元気」に支給額の一覧表が載っていますので転載します。ただし条件の細かいところはこの表では分かりませんので、一般的な支給額だけをお知らせします。
それぞれ概数ですが、オランダ14万円、デンマーク10万円、アイスランド2万円、フィンランド8万円、ノルウェー11万円、オーストラリア16万円、ニュージーランド12万円、カナダ6万円、イギリス10万円などです。この支給額に、掛け金に応じた額が上乗せされる仕組みと思います。
先進国に定年制はないといいます。それは「年齢による差別」だからです。年金支給開始年齢が定年に該当します。先進国でこの年齢を超えて働く人はまれといいます。医療費自己負担なしの国も多く、年金だけを論じていたのでは分かりにくいのですが、日本の老後は相当遅れています。「勤勉な日本人」などとごまかしてきた政治ですが、いま劣悪な社会保障が浮き彫りになっています。