| 前へ | Top |2007年〜 | 次へ |
|
山梨県議会の海外視察
最高裁も“税金で観光”と認定
知事の上告棄却、費用返還命令確定
山梨県議会の海外研修制度を「観光中心の私事旅行」として費用の返還を命じた東京高裁判決(2013年9月19日)を不服として横内正明県知事が上告していた問題で20日、最高裁(櫻井龍子裁判長)は上告を棄却しました。
これにより、東京高裁が費用の全額(約850万円)の返還を研修に参加した11人の県議(すべて自民系会派、元職3人を含む)に求めるよう知事に命じた判決が確定しました。日本共産党は一貫して税金を使った海外研修制度に反対、廃止を主張してきました。
記者会見した原告代表の山本大志氏(57)=県市民オンブズマン連絡協議会代表委員=は「県議会の海外視察が県民の税金を使った観光旅行だったと司法が完全に認めた意義は大きい」と喜びを語りました。
対象とされた研修は、09年7月から10年4月までに実施された4件。「山梨県議会研修要鋼」や政務調査費から費用が支出されました。
高裁判決は、ホワイトハウスやメトロポリタン美術館(米国)、ピラミッド、海峡クルーズ(エジプト)など連日観光名所が並ぶ研修日程について「海外研修に名を借りた私的旅行」と断じていました。
小越智子党県議は「県民世論の勝利です。議会には、ただちに制度の廃止を決めるよう求めていきたい」と話しています。
以上は14日付「赤旗」記事の全文です。
問われた公費の使い方
私は市長選直後の12月議会でこの問題を取り上げ、高裁の判決を元に、参加した市長の認識をただしました。地裁判決は形式が整っていたので「違法とまでは言えない」という結論を出しましたが、高裁判決は内容に立ち入って「観光旅行」と断罪したからです。
12月議会の市長答弁は研修要鋼に基づき、「一定の目的を持って視察を企画し、詳細な視察日程と共に申請し、県議会議長の承認を受け、承認された視察日程に従って視察を行ったもので、違法性はないものと確信している」というものでした。地裁判決同様、形式的には間違いはなかったというものでした。公費を使っての研修が観光旅行であってよいはずがありませんが、その内容が研修か観光かは参加した人が一番わかるはずで、真摯に受け止めてもらいたいものです。
控訴した知事の思いや狙いは分かりませんが、山本代表が言うように最高裁で確定した意義は大きく、今後の裁判のモノサシになります。山日新聞も一面で報じましたが、その最後の部分がこのことを示しています。
―訴訟を起こした県市民オンブズマン連絡会議(山本大志代表委員)は「観光旅行だと認定した司法の判断は、税金の無駄遣いをただすという点で意義深い」と評価。政務調査費を使用した視察を観光旅行と結論付ける判例は全国的にも確認できていないとし、「県議会の費用の使い方をただす動きが全国に広がる可能性がある」と指摘した。