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都留大の交付税が大幅増額

 ある日、板倉議員と議案について検討しているなかで、予算書の説明文書「当初予算の概要」のなかのある変化に気がつきました。標準財政規模の推移のグラフで、2012(平成24)年度の78億8千万円に対し今年度が86億4千万円、新年度86億1千万円へと急増していたのです。説明欄には「平成25年度にその他教育費(大学費)の種別補正係数が増加し、地方交付税が増額したため」とありました。

今年度5億2千500万円増
 財務経営課への問い合わせと10日の総務常任委員会での説明で、大学への交付税が増額された内容が分かりました。
 それによると、文学部への交付税の「補正係数」のうち、都留大が該当する人文科学系が2・03に引き上げられたというのです。基準額は学生一人当たり2012(平成24)年度の24万2千円から22万2千円に引き下げられた(毎年引き下げ!)ので、実質引き上げ額は約88%ですが、学生1人当たりでは約45万円になり大幅増額です。ただ財政力指数が0・50ですから、この額を大学に繰り出せば半分は市の負担(設置者責任分)です。しかし、今年度、市が受け取る交付税は5億2千500万円増、すごい額です。

低すぎると感じた交付税額
 議員になったばかりの頃、財政を担当する課長から交付税について説明を受けました。基準財政需要額(地方交付税の算定根拠となる数値)のなかに「その他の教育費」という項目があり、これは大学があるための交付税だと教わりました。課長は、その3年ほど前にようやく普通交付税として措置され、市財政が楽になったと言いました。
 毎年の学生一人当たりの額は公立大学協会からの連絡で判明し、バブル破裂までは順調に増額されてきました。しかし、学生一人当たりの額でみると文学部は最も低額です。市が説明に用いた補正係数でみると文学部の1・00に対して医学部は16・50、理科系学部7・44、家政系学部及び芸術学系学部3・03などとなっています(2010年)。

歴史を刻んできた要求
 これを知ってから、私は国に引き上げを求めるよう再三議会で取り上げ、90年代初めから県民大運動が政府と予算交渉をはじめるとその一員として参加し、総務省と文科省に「都留大はただの文学部ではない。教員養成大学で金がかかる」と要求してきました。また「大学連絡協議会」(大学・市・議会で構成)で教授会としても行動するよう求めました。これに対しては「それは政治家の仕事」と答えた学長もいましたが、中西啓之、川上則道両教授が前向きに受け止め、公立大学協会に働きかけてくれました。おそらくそれ以前は、大学を持つ日本で一番小さい自治体だからこその要求でしかなく、公立大学協会としても認識は薄かったでしょう。
 最近は文部科学省が「総務省に要求します」と答えていました。これによって私の議員人生の、先週の「大雪」などと並ぶ、大きな記念碑の一つとなりました。