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9月議会報告 一般質問B

国政の動向についての見解を問うA

 

【市長答弁】
 ご質問の個別具体的な安倍政権が現在実行している政策につきまして、政権公約にどう位置付けられているか、詳しく承知しておりませんので、具体的な論評は避けますが、安倍政権は、先の参院選において、自らの国益と信ずる様々な選挙公約を掲げ、選挙戦を勝ち抜いており、現政権は、与えられた任期中を、国民との約束である政権公約の実現に最善を尽くすことが使命であり、責任であろうと思います。
 また、その結果に対する民意の審判は、次の選挙で仰ぐことが民主主義の基本ルールであると考えております。
 なお、新たに誕生する市長が、これについて、どのような考えを持たれているかは承知しておりませんし、私の干渉すべき事柄ではないものと考えております。
 冒頭、小林義孝議員よりお話がありましたとおり、見解・立場は違えど、16年間、市民のため、市政発展のため、様々な論議を持てましたことに感謝を申し上げ、小林義孝議員へのお答えとさせていただきます。


安倍政権支持、しかし…
 この答弁は短い言葉の中に市長の見解をよく表しています。
 第一に答弁は「個別具体的な安倍政権が現在実行している政策につきまして、政権公約にどう位置付けられているか、詳しく承知しておりません」と言いながら、一方で「安倍政権は、先の参院選において、自らの国益と信ずる様々な選挙公約を掲げ、選挙戦を勝ち抜いており…」とつづけ、「現政権は、与えられた任期中を、国民との約束である政権公約の実現に最善を尽くすことが使命」と言っています。しかし、安倍政権が強行している大きなテーマは選挙中に掲げた公約でないことだから問題なのです。
 第二に、選挙「結果に対する民意の審判は、次の選挙で仰ぐのか民主主義の基本ルール」と言いますが、答弁の流れからみると、これは「勝てば何をやってもよい」という立場の表明です。これは私の質問の前提である「選挙に勝ったが、有権者全体から見たら支持は2割程度」を無視するものです。民主主義についての見方が乱暴ではないでしょうか。

民主主義の基本は
 言うまでもありませんが、民主主義とは国民主権の具体化を表す言葉であり、多数決に単純化できるものではありませんし、選挙結果だけがすべてでもありません。ましてや小選挙区制は民意とかけ離れた議席が第一党に与えられるゆがんだ制度です。
 主権者である国民の根本的利益にかなっているかどうか、よく見極めなければなりません。新たな市政には干渉しないという表明は救いかもしれません。


 先週、この「手紙」が1200号に達しました。23年です。回り持ちで執筆している別面の「かつら川」も1130号=21年半を超えました。皆さんの支えがあってこそです。これからもよろしくお願いします。