| 前へ | Top |2007年〜 | 次へ |
6月議会報告 一般質問D林業振興

(仮称)里地・里山・里水保全活用条例について

 今更という気もしますが、まず用語の解説を求めます。分かるのは里山です。辞書では「人里近くにあって、その土地に住んでいる人のくらしと密接に結びついている山・森林」とあります。また里田、里村(村里)も辞書にありわかりますが、里地、里水とはなにか、いまひとつ分かりません。説明を求めます。その上でその中の一つ里山の保全・活用について問うものです。

可能性大きい林業
 わが党山梨県委員会は3年前、「山梨の林業・木材産業の再生をめざす日本共産党の提言」を発表し、その年、県レベルで林業シンポジウムを開催し、170名の参加者と忌憚のない意見を交わしました。私はこのシンポジウムを通じて、林業・木材産業のあるべき姿について、立場の違いを超えて多くの人の認識の一致が可能であるという思いを強めました。
 私は折に触れて「山が金になれば郡内は大金持ちだ」と言ってきました。現にそういう時代がありました。このシンポジウムで、人口約8千200万人のドイツで林業従事者が100万人を超える国内最大の産業であり、自動車産業の労働者70万人と比較してその規模の大きさに驚かされました。ちなみに日本の林業労働者はわずか5万人で、しかも高齢化が進んでいます(国勢調査等)。当然のことですがドイツには限界集落はないといいます。こうした点からも郡内で林業・木材産業の振興がいかに大切かという確信を深めました。

「里山保全」の本気度を問う
 もう一点、日本は丸太の輸入自由化で林業を衰退させましたが、いまこれを見直さなければならない事態がせまっています。たとえばロシアからの輸入が止まったため、分かりやすい例でベニヤ板が一時、1枚370円にまで値下がりしたものが今や2倍近い700円になっています。国際的に木材をいつまでも市場任せにしておかないという動きが強まることが予想されます。
 こうした認識のもとで、当局が里山の保全活用について本腰を入れようとするならば、大いに歓迎するものです。質問の初めにその認識と決意を聞きたいと思います。

国・県の政策評価必要
 もし本気で里山の保全と活用に足を踏み出そうとするなら、何点か外せない課題があります。その第一は、国に対して「林業を地域経済と低炭素社会実現に不可欠な産業と位置づけ、外材依存政策を転換し、国産材の利用拡大と森林の整備を進め、林業・木材産業を再生させる」という政策的位置づけを明確にすること、その上で必要な個々の対策を講じるよう求めることです。
 山梨県に対しても、「県土の78%が森林で、そのうち県有林46%は全国一」という条件にふさわしい位置づけと対策を求める必要があります。これまで県はこの条件を積極的にとらえるのでなく、林業政策を県有林優先の国の補助事業に矮小化し、民有林対策を後回しにしてきました。
   (つづく)