| 前へ | Top |2007年〜 | 次へ |
日本の常識 世界の非常識

年金と生活保護の後進性

 元校長先生から「教師の常識、世間の非常識」という自戒の言葉を聞きました。これにヒントを得て見回すと、「日本の常識 世界の非常識」という事実がたくさんあることに気がつきます。今週は5月24日の「しんぶん赤旗」の記事が伝える「年金と生活保護の日本の非常識」です。


国連委勧告受けた対応を
年金者組合と全生連

 全日本年金者組合や全国生活と健康を守る会連合会(全生連)は23日、国連社会権規約委員会の勧告を受けて記者会見し、最低保障年金の実現と生活保護申請者の尊厳を守った対応を訴えました。
 年金者組合の森口藤子副中央執行委員長は「勧告は、日本の高齢者の実態を踏まえたもの。政府は勧告を真摯(しんし)に受け止め、最低保障年金実現を」と述べ、全生連の辻清二副会長は「生活保護法改悪法案に警鐘を鳴らすもので、法案はすぐに撤回すべきだ」と訴えました。
 国連社会権規約委員会は17日、日本政府に対して、最低保障年金の実現、生活保護での申請手続きの簡素化と申請者の尊厳を守った対応を行うよう勧告しました。
 同委員会は、▽日本での低年金・無年金の高齢者の間での貧困の広がり▽「生活保護申請は恥ずかしいこと」だという恥辱感が申請をためらわせている▽年金改革で多くの高齢者を年金受給がないまま放置している-ことに懸念を表明。2001年の前回勧告に続き、「国の年金制度の中に最低保障年金を導入する」よう求めています。
 生活保護についても、申請手続きの簡略化▽申請者の尊厳を守った対応の確保▽生活保護についている恥辱感を根絶するために必要な手だてをとること▽勧告の国民への周知-を求めています。


12年ぶりの「国辱的」勧告
 日刊「赤旗」にはヨーロッパの生活保護事情が連載されました(5月5日〜8日)。「生活保護を受けている中心は若い人」と強調しました。この裏には国連が日本に勧告した最低保障年金(賭け金なしで支給される基礎年金制度)があります。ヨーロッパ並みにこの制度ができれば無年金者はなくなり、高齢者の生活保護は減ります。
 安倍首相は大勢の財界人を引き連れて外国にでかけトップセールスに励む一方で生活保護法の改悪を狙っています。しかし、福島原発の現状や今回の国連勧告を見ればそれどころじゃないはずです。原発では次々に問題が発覚し、国連勧告は「国民生活ないがしろ」を正せといっているのです。
 ヨーロッパでは歴史の裏打ちがあって「政治は国民の生活を守るのが仕事」ですが、日本では「アメリカと大企業の利益を守ることが仕事」です。日本共産党はこれを「ルールなき資本主義」といいますが、もっと言えば「アメリカいいなり・大企業の利益第一のルールに徹した資本主義」ですね。