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議会基本条例制定の意義

 5月14日、中谷地区の説明会が開かれ、そのなかで条例制定の意義などについて説明に当りました。以下はその概要です。

中央と地方の関係
 先進国では中央の政府と地方の政府という位置づけで、住民に近い地方の政府の権限が大きく、中央の政府は財政的に地方の政府をバックアップしなければなりません。ところが日本では絶対的な権力を中央の政府が握っています。その象徴的なものが機関委任事務でした。分かりやすい例は年金事務で、自治体も議会も権限が及びません。
 近年、これに対する地方からの反発が強まり、1999年、地方分権一括法で機関委任事務が廃止されました。
 ここで改めて強調されたのが二元代表制の原則に立ち戻ることです。これ自体は新しい概念ではありません。地方の活性化のために、議会がその原則にしっかり立ち返り役割を果たそうということで、議会基本条例制定の機運が高まったと思われます。
 しかし、現実はどうでしょうか。都留市でいえば、市長の下に職員は約400人、議会は議員18人、職員4人、議員は法律などの専門家ではなく、力関係の差は歴然としています。

これまでの議会の仕事の例
 それでも、議会はそれなりの役割は果たしてきました。議員によって評価は違うと思いますが、私の見た範囲で、市長の方針を拒否した例と議会独自の仕事をした例、市長の方針を応援した例をそれぞれ一つずつ挙げてみます。
 まず市長の方針を拒否した例ですが、それは道志村との合併です。いまでは都留の議員も道志の人たちも合併しなくてよかったと言っています。
 議会独自の仕事としては東京電力に要求して東桂の谷村発電所取水口から下の桂川に水を流させた例があります。国道の古渡入口から入った桂橋付近で確認できます。水が流れて景色は一変しました。
 市長の方針を応援した例は、市立病院建設時の医師会の対応との例です。当時、医師会は市立病院建設に反対でした。思い当たることがあったので議会で取り上げることとし、医師会に議会傍聴を要請しました。
 医師会の反対はなくなりましたが、そのときの医師会の先生の言葉です。「議会はどこにあるのかね」「傍聴できるのかね」でした。医師会の議会についての認識はこの程度かと愕然(がくぜん)としました。
 こういう現実も自覚して議会の存在意義を示さなくてはならないと思いました。

仏は作った、魂はこれから
 具体的には議会もこれからです。条例制定の意味をしっかり踏まえて、執行部との緊張関係を構築し、議案を提案できるような力をつけなければなりません。実際の活動で仏に魂を入れるのはこれからです。
 ぜひ、市民のみなさんの感想やご意見をお寄せ下さい。みなさんのご支援があってこそ、議会は積極的な役割を果たせます。