TPP参加で
山が荒れたようにすべてが荒れる
4月9日、山梨市議選の応援に行きました。山梨市議選は吉田昭男さんが3期目をめざす選挙です。現地事務所に行くと、手薄な山腹の地域での宣伝を要請されました。
「山で地域おこし」を
渡された演説例の導入部分には日本共産党らしく国政についての叙述があります。その部分と新緑に染まり出した山を見ているうちに、かねてからの思いを演説に取り入れようという気になりました。
人が集まり地域振興についての話題が出れば、必ず私が言うのが「山が金になれば郡内は金持ち」です。郡内の人口減少が激しく、地域経済の困難が著しいからつい出てくる言葉で、大抵の人が同意します。しかし、演説場所に指定された地域で周囲の山を見ているうちに「山が金になれば」というのは郡内だけではないと思ったのです。
丸太の輸入自由化
林業振興については党山梨県委員会が一昨年、党中央の政策を柱にシンポジウムを開催し、各界の知見を集めています。しかし、林業振興のためには建築材として国産材が主座に返り咲くことが必要です。それとともに「TPPへの参加は(丸太だけでなく)、かろうじて残されている製材品や集成材の関税まで撤廃するなど、国産材の需要拡大と森林・木材産業の再生に逆行するものであり、TPP参加を断念するよう要求」(党政策)しなければなりません。
言いたいのは、林業の衰退をもたらした丸太の輸入自由化はTPPの分かりやすい先例ではないかということです。前にも書いたかもしれませんが、1964(昭和39)年の丸太の輸入自由化によって日本の木材自給率は18%にまで落ち込み、人の入らなくなった山は荒れるにまかされました。
農業や医療が、さらにあらゆる分野の「関税と非関税障壁」が撤廃され、弱肉強食が徹底されたら、山が荒れたように田や畑、医療現場が、そして人の心までが荒れるのではないかと思います。
弱肉強食はアメリカの理念
弱肉強食はアメリカという国をつくってきた理念です。西部劇映画で見ました。祖国を捨て、移住した人達が「よういドン」で土地の取り合いに走るところからアメリカは始まりました。守るべき歴史も商店街もない新しい国です。「アメリカン・ドリーム」は「弱肉強食」が前提ではないでしょうか。それはアメリカにはお似合いかもしれませんが、日本では地域の破壊につながります。それをむりやり押し付けようというのが骨がらみのアメリカ追従の自民党政治です。
維新の会やみんなの党が自民党政治の補完勢力であることも明らかになってきました。参院選までには、さらにその実態を明らかにされるでしょう。憲法やTPPなどを「ものさし」にして…。
10日付「赤旗」に、またも私が撮った笹子トンネル事故の写真が載りました。たしか9回目、「決定的瞬間」だったようです。