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12月議会報告F 二つの行政視察からB

北アルプス(大町市)でカルチャーショック

東部広域連合のおさらい
 前にも書いたと思いますが、山梨県東部広域連合は山梨県内で唯一の広域連合で、1999(H11)年に誕生しました。都留、大月、上野原の3市と道志、小菅、丹波山の3村で構成されています。この広域連合の仕事は情報公開審査、介護認定、養護老人ホーム(大鶴楽生園)の運営、障害区分認定などです。
 年間予算は2億円程度ですが、組織の性格上、議会があります。各市から5人、村から1人、合計18人の議員で構成されています。
 と、ここまでは広域連合と広域連合議会についてのおさらいです。

大鶴楽生園改築へ
 上野原にある大鶴楽生園は大鶴村が創設し、合併して上野原町、東部養護老人ホーム組合、広域連合と管理者が変わりました。現在の老人ホームの施設は1973(S48)年に建設されました。私はその10年後に4年間、組合議会に在籍したことがあります。
 そのときには1968(S43)年に建てられた都留市の庁舎より5年も新しいと知って驚きました。そのくらい古いと感じたのです。建物は設計思想でいつまでも新しく感じるものもあれば、その逆もあることを知りました。建設から40年、ようやく老朽化が認められ、改築が課題になりました。

必要なことはやる…
 訪問した北アルプス広域連合は大町市を中心とした1市1町3村、6万人余りの広域連合で、視察したのは建て替え中の鹿島荘という養護老人ホームです。定員50人+ショートステイ6人です。すでに入所施設の建設は終わり管理棟を建設中でした。6室のショートステイの説明で「ショートステイというよりもミドルステイ、一カ月の入所もある」、短期入所とはいえない措置方式は実態に即した独自の施策でした。

「ふるさと創生資金」活用
 建設資金にふるさと創生資金を一部使ったという説明に驚きの声が上がりました。記憶されている方もいるでしょう。20年以上前、バブル時代の竹下内閣のバラマキ政策です。すべての自治体に1億円を配りました。その当時、構成自治体は1市1町5村だったといいますから7億円だったはずで、いまでも6億円残っているそうです。当時、小さな自治体が1億円を拠出すことに抵抗はなかったでしょうか。構成自治体間に厚い信頼関係があったとしか言いようがありません。広域連合で介護保険を運営する出発点で「うちはレベルの高い介護を考えているので入りたくない」と抵抗した村もあったそうです。よりよい福祉を競う、羨ましい自治体の姿勢です。

ランニングコストは不明?
 さらに驚いたのはランニングコストについての質問に「それは1年運営してみなければ分かりません」という答えでした。普通は先に検討する課題です。「必要な出費を惜しんでもしようがない」と聞こえました。