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情勢は変わってきている

 先週、後半で石原慎太郎氏を批判しましたが、これに呼応したように11月6日付毎日新聞に二つの投書が載りました。なかなかのものですのでお借りすることにしました。
 日野資純(すけずみ)さんは国語学者ですが平和についての著書もあります。「大切な年配者の教え」です。あとの高校生の方は「後生(こうせい)畏(おそ)るべし」、有権者=大人を叱っています。


歴史見すえて憲法守ろう
 無職 日野 資純86(静岡市葵区)

 石原慎太郎氏中心の「第三極」登場で改憲論の足音がまた高くなっている。尖閣諸島をめぐり台頭した著しい中国に対抗する思潮も強い。今は敗戦直後の原点に返り、岐路に立つわが針路を慎重に見極めるべきである。
 日本はよき伝統を持つ最強の帝国だとして中国を軽視し、米英と戦ったが、精神力偏重で近代戦に勝てるはずもなかった。敗戦後、武力万能を反省し、平和の尊さを骨の髄まで知ったからこそ、戦争放棄の新憲法制定に至ったのである。1947年の中学社会科教科書「あたらしい憲法のはなし」には紛争の際「穏やかに相談してきまりをつけよう」と明記している。太平洋戦争では「米英が東洋征服を考えているから自衛上戦う」として開戦したが、今、中国の動向に対して「力には力を」の論が主流になれば過去の戦争への反省が忘れ去られ、日常の平和が切り崩されることにもなりうる。歴史を見すえた、こういう視点こそが、最も大切である。

先行き不安な国会
 高校生 伊崎慶史郎16(神奈川県藤沢市)

 石原慎太郎氏が東京都知事を辞職した。今後は新党を結成し、次期衆院選で立候補するようだ。しかし、都知事としてあるまじき多くの失言、独りよがりの勝手な行動、そして先日の突然の辞任。この人に国政を任せたらどうなることやら。先行きが不安だ。
 先行きが不安なのは国会も同じだ。数々の目玉政策を掲げ、政権を握った民主党も今やあの体たらくだ。内閣改造をした直後には新しい法相が辞任。公認の法相を、交代したばかりの人に任せるとは何とも場当たりで情けない。かといって、対抗する自民党は相変わらず、民主党批判一辺倒。日本維新の会も口先だけは実に素晴らしい政策を打ち出していて、まるで政権交代前の民主党のようだ。このままでは、選挙の投票率は上がらず、国会が民意を反映したものとはいえないだろう。国民はじっくり考えなければいけない。


違いを示せない民自公
 いま国政の大問題は何でしょう。志位委員長が4日のNHKインタビューで示したのは消費税増税、大企業の雇用破壊、原発、領土、オスプレイ配備と米軍基地、東日本大震災の復興などでした。これらの問題で違いがまったく見いだせない民自公。日本共産党の値打ちを示すチャンスです。