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9月議会報告D 決算反対討論@

行き詰まった国政の現状を見る

  今週から決算認定反対討論を連載します。

 まず地方政治の枠組みを決める国政の現状です。



アメリカいいなり・財界中心
 野田首相が民主党代表選で再選されました。報道で見ても行き詰った民主党が、他に選びようがなかったというのが実際です。
 この野田首相、「2030年代に原発ゼロを可能とする」としたあいまいな戦略でさえ、財界の一喝で閣議決定できませんでした。反原発の世論よりも大企業の意向が第1という政権の体質を示しています。
 オスプレイ配備問題で沖縄・名護市の稲峰市長は「安全性も確認されないまま、国民を無視して米国の言いなりにオスプレイ配備を進める日本政府に、もはや民主主義は存在しない」と述べました。「アメリカいいなりで恥ずかしい」という感覚すら欠如しています。
 この内閣は尖閣諸島問題、竹島問題で外交能力の無さも露呈しました。これは領土の問題だけでなく、現に東日本大震災と原発事故によって海外からの観光客が激減した国内観光地に、またもや打撃を与えたという点で許されない無能さです。

戦後も知らない世代の危うさ
 行き詰まりを示したのは自民党も同様で、5年前政権を投げ出した安倍元首相を総裁に選びました。その総裁選はまるで右翼政党で、その右傾化についてはアメリカのワシントンポスト紙さえ懸念を示したほどです。彼らは、いまにも憲法9条を変え、中国や韓国と事を構えるかのような主張を展開しました。日本がアジアの平和の上に国の将来像を描かなければならないという現実が見えない政治家ばかりです。私は、戦争を知らない彼らに山本美香さんの著書「戦争を取材する 子どもたちは何を体験したか」を読ませたいと痛感しました。
 市長は所信表明で「これまでの山本さんの功績に対し、『市民栄誉賞』を創設し顕彰するとともに、実行委員会を組織し、その遺志を受け止め、継続して平和の大切さを発信するきっかけとなる『追悼の会』を開催」すると述べました。私はその「発信」の具体化として、山本美香さんの著書の普及を提案したいと思います。山本美香さんの著書は戦争についての良い教科書ではないでしょうか。

新しさない「維新の会」
  行き詰った政治は、新しさを装った、より古い政治を登場させます。橋下大阪市長の維新の会です。メディアの応援を得て、小泉政権時代の堺屋太一、竹中平蔵といったメンバーを登場させ、新自由主義を復活させようとしています。橋下氏は「地方交付税制度を廃止して、地方の財源はすべて消費税に」と主張しています。そんなことが不可能であることは、市の決算の地方交付税34億7500万円を見れば明らかです。彼の主張に何ら新しさはありません。
(つづく)