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禁煙9カ月の感慨

 タバコをやめて9カ月がたちました。今さらながら「タバコ吸い」の心情に思いを馳せる昨日今日です(笑)。
 最近テレビで禁煙外来=保険適用の宣伝が放映されています。仲間由紀恵さんが出る「愛が足りないわけじゃないんです。禁煙には治療が必要なんです」というあれです。今年3月、この「手紙」で禁煙して表彰されたと書き、周囲から「がんばったね」などと声をかけられたときはそれほどでもなかったのですが、テレビの宣伝を見るとあらためて感慨を覚えます。ちなみにこの禁煙宣伝のインターネットのサイトは禁煙について丁寧に解説をしています。

「これが中毒か」
 禁煙に挑戦したとき、厳密には薬を飲んでタバコを吸わないでいられる状態になったとき、薬の効果に驚くと同時に「これが中毒というものか」と驚きました。
 思い切って禁煙外来に行ったとき、看護師から「やめる自信は? 100%50% 0%?」と問われ、迷うことなく「0%。やめる自信があれば病院に来ません」と答えました。その時には事実、簡単にはやめられないと思っていました。「自分はタバコが好き」と強く思っていたからです。
 しかし、薬を飲み始めて1週間、買いためたタバコを吸い終わって今日からタバコを吸えないという日になって、あまりタバコを吸いたいと思わなくなっていることに気がつきました。「タバコが好き」というのも錯覚ではないかと思えてきました。「吸いたい要求」からの解放を感じました。衝撃でした。万一を考えて飲み続けましたが、それでも薬は半分ほども残りました。

頻繁に夢を見る
 こうして自分でもびっくりするくらい簡単に半世紀に及ぶ喫煙から抜け出せたのですが、さすがに「後腐れなくさっぱり」というわけにはいきませんでした。
 その一つが前にも書いたのですが、「吸ってしまった。しまった!」という夢に悩まされたことです。特にコタツでうたた寝などしたときにこの夢を見て目が覚めることが何回もありました。体の方はタバコを簡単に忘れられなかったようです。
 もう一つは朝起きたときの口のまずさで、喫煙していたころとそう変わりません。うがいをして吐き出した水は依然として茶色です。肺が繊毛運動でタールを排出しているのでしょう。何年か続くといいます。

やめた効能と未練
 それでもやはりタバコをやめてよかったという思いは日を追って強まります。なによりも夕方の疲労感が減りました。疲労感は歳のせいだけではなかったようです。それと懐具合です。上げればたくさんある効能ですが、逆にまだ喫煙者を羨ましいという気持ちがあります。そしてタバコを吸いだした頃(昭和36年11月15日)に出版された本、「タバコ《この不思議な楽しみ》大熊規矩男著・現代教養文庫」でタバコを追想しています。楽しいタバコ文化の本です。