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3月議会 予算反対討論(1)

大震災被害を深刻にした政治

 東日本大震災から1年がたちました。いまだ出口の見えない被災地の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
 被災3県の農協と漁協の会長のインタビュー記事を読みました。記事の見出しを見ただけでも現地の思いが伝わってきます。JA岩手中央会の会長は「国は被災農地を買い上げて整備を」、JA宮城の会長は「いまなぜTPP 小農切り捨てられる」、JA福島の会長は「コメ作り続けたい。脱原発を原則に」と、それぞれ語っています。岩手県漁連の会長は「復興は生産と加工・流通を一体で」、宮城県漁協の会長は「村井知事の『水産特区』には反対」、福島県漁連の会長は「漁自粛1年 安全な魚を取りたい」と語っています。
 日本ほど一次産業を粗末に扱ってきた国はありません。地震と津波はその矛盾が集中していた三陸沿岸地方を襲いました。さらに原発は東京を中心の大企業の電力を賄うために、遠い農業・漁業の県、福島に作られました。
 被災地の復興は被災者の生活を立て直すこととあわせて、被災地の生業の中心となる農・漁業の立て直しを図るものでなければなりません。それは言うまでもなく現地の声に応えることによってのみ可能です。
 この点で、一昨年11月に都留市議会が視察研修のさい宿泊した、南三陸町の「ホテル観洋」などを経営する阿部長商店の社長阿部泰浩さんは、「人は水産加工業の財産、地域の宝」という思いで従業員800人の雇用を守ってきたといいます。津波で9カ所の加工場・冷凍施設のうち、南三陸町の1工場を除く8カ所が被災し、本社も流されながらです。私たちが宿泊したホテルは被災者800人を受け入れ、いまは通常の営業ができているそうです。阿部社長は復興交付金について疑問を呈した上で、「復興庁のあり方もみえてきません。ぜひ現場にきて実態を見ていいただきたい」と語っています。

被災自治体の手不足
 自治体の復興作業の妨げになっている問題が報じられています。それは職員数の不足です。平成の大合併で自治体面積が極端に広がり、職員数が減らされました。そこに震災です。津波で自治体職員も犠牲になりました。大震災以来、自治体職員は自らも被災しながら不眠不休の奮闘をしてきました。そして高台移転などの事業計画の見取り図を描いたものの、申請書類などの実務が追い付かない、これはテレビ報道です。   テレビは、被災自治体へ引き続き支援が求められていると結びました。都留市においても職員の適正配置は様々な場面を想定して検討されるべきであることをこのさい強調しておきたいと思います。  いま直面している瓦礫の処理は、全国民が復興を支援する一つの仕事です。政府は瓦礫のなかに放射性物質がないことを、責任を持って確認し地方に受け入れを要請しなければなりません。復興のためのすべての課題が地域の願いを受け入れる方向で進むことを願うとともに、市政が被災地、被災者支援に積極的な役割を果たすよう期待するものです。
        (つづく)