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一般質問報告(1)

大震災からの復旧・復興のために

 9日から12月議会が始まり、一般質問は15日でした。最初の質問は大震災です。
 もし自分に同じような災害が振りかかったらどうだろう、これが災害を受け止める原点でしょう。3・11後に医療機関関係から出された二冊の本、「石巻赤十字病院の100日間」「被災者に寄り添う医療」を読み、被災直後に医療チームが現場で大きな役割を果たしたことが分かり救われた思いでした。しかし震災後に避難所などで多くの命が失われました。政治が現場に寄り添っていなかったのです。
 「現代用語の基礎知識2012年版」の巻頭は「特集3・11からの再生」です。初めの写真と文章を担当している五十嵐太郎東北大学大学院教授(建築学)は言っています。
 ―印象に残った風景を紹介しよう。ひとつとして同じ被災地は存在しない。風景とは、豊かな自然と複雑な地形、それぞれにつくられた人工的な建築が組み合わさったものだ。状況はすべて違う。したがって、一律に同じシステムの復興案を各地に当てはめるのはおかしいだろう。―
 今、復旧・復興のあり方が問われています。


 11日夜NHK総合テレビは「NHKスペシャル」で「震災遺児1500人」という番組を、同日NHK Eテレは「ETV特集」で「大震災発掘・埋もれた警告」という番組を放映しました。大震災で親を亡くした子ども1567人、両親を亡くした子ども240人、その子どもたちの日々の現実は涙なしには見られないものでした。
 「埋もれた警告」では地震学者や活断層の研究者の警告や提言が、政府や東京電力にことごとく退けられてきた歴史が語られました。排除されてきたのは原発に反対した学者だけではなかったことが分かりました。番組の最後のナレーションは「警告を2度と埋もれさせない仕組みがいま求められています」でした。
 あらためて地震・津波が予測を超えた自然災害ではない、人災であったことを確認したいと思います。そうでなければ本当の備えはできません。TPP参加と原発輸出を強行しようとする政府は、被災地、被災者の実態にもっと真剣に目を向けるべきではないでしょうか。
 市長の見解とこの9カ月間の市の取り組みについて、被災地支援、市の防災計画の見直し・対策会議や研修など、あわせて市内の団体・グループなどの取り組みを伺います。
 被災地は支援活動の受け入れを、凍って危険だからと来年春まで中止しています。当然のことですが、被災地の困難がないからではありません。それどころか冬の厳しさはこれからだと思います。
 この時期、この間は私たちにとって支援のあり方を考える時ではないでしょうか。その糧として、避難者が受け入れることを前提に、市が市内避難者と市民との交流の場を設けたらどうでしょうか。また私たちが避難者に応援できることはないでしょうか。市内避難者の生活実態を市としてどう見ているかとあわせて伺います。