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9月議会・決算反対討論(2)

原発「被害」はすべて東電が賠償を

 市長が原発についてどういう見解をもっているか明らかではありません(議会は浜岡原発の廃炉の請願を採択しました)が、結果的に、原子力発電からの撤退を主張した株主の提案を潰(つぶ)した東京電力取締役会に味方したことになります。この点は指摘しておきたいと思います。
 なお、市は市民の声に応えて放射線量を図る測定器を購入します。細かいことを言うようですが、原発事故がなければ不要だったものです。代金はしっかり東京電力に請求するよう求めます(原発が原因の出費はすべて東京電力が負担すべきです)。
 以下、決算審査で取り上げた何点かについてふれたいと思います。

なぜ?22億5千万円ため込み
 地域の活力という観点から、前年度比83%という個人市民税の落ち込みはあまりにも深刻です。家計収入が2割近くも減ったらどうするか、ここに思いが至らなければ市政は市民から信頼されません。ところが、こういう深刻な事態にもかかわらず、市は予算を切り詰め6億円も基金を増やしました。使い道の決まっていない財政調整基金は22億5千万円にも達しています。標準財政規模の10〜15%というモノサシを当てれば都留市の場合、適正額は8〜12億円です。
 財政は単年度決算が原則(単年度主義=各会計年度の経費は、その年度の歳入をもって支弁しなければとする考え方。公会計における予算・決算制度の基本原則=「広辞苑」)です。その年度の必要経費はその年度の収入で賄(まかな)う、逆に言えば、その年度の収入はその年度で使い切る、これが原則です。市民サービスの向上をはからないまま、黒字が大きければいいというものではありません。地域経済の振興も考え、適切な財政出動が必要ではないでしょうか。

見えない地域経済振興策
 この立場から住宅リフォーム助成制度を再度取り上げました。
 住宅リフォーム助成制度は震災対策と地域経済の活性化策を結びつけた政策であり、導入した自治体ではどこも住民から歓迎されています。しかしその導入について、市は真っ向から否定しました。では、ほかにどんな地域振興策があるのでしょうか。残念ながらまったく見えてきません。不況のなか、業種ごとに振興策を検討してもよいのではないでしょうか。自助努力のスローガンで地域の衰退に目をつぶるというのでは、あまりにも行政の役割の矮小化(わいしょうか)ではないでしょうか。一方で公共事業を生業の中心に据える業種(峡東地域では談合疑惑で公共工事を請けられなくなり、倒産した土建業者が出ました)もあるのですから、市民の納得は得にくいと思います。

韮崎市の子育て支援センター
 児童館・児童センターについてふれました。9月3日のニュースで見た韮崎市の市民交流センターを開館1週間後に視察し、そのなかの子育て支援センターや図書館を見て、率直に言って羨ましいと感じました。