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9月議会・決算反対討論(1)

深刻さが明らかになる被災地

 今週から決算認定反対討論を連載します。カッコ内にちょっと注釈をいれました。

 

 東日本大震災から半年余りたちました。
 おそらく被災者は当初、破壊されつくした町を前にして何をどうすればよいのか、見当もつかなかったのではないでしょうか。そしていま、事態は前に進んでいるのでしょうか。もちろんそういう場面もあるはずです。しかし、私たちの前に見えてきた被災の現実は、より深刻さが明確になったという印象があります。
 ある調査では岩手、宮城、福島の沿岸部の市町村の中で、とくに被害の大きい地域に本社がある5004社のうち、2498社が営業不能状態だといいます。震災に会わなくても失業したらたちまち生活は行き詰まります。10月下旬には7万人を超える失業者の失業手当が切れ始めます。農業者、漁業者の多くは事業再開の展望も見えず、離職を決断した業者も少なくないといいます。加えて原発被害では自主避難を含めた避難者の生活や風評被害による損害の広がりははかり知れません。

市職員組合が被災地支援に
 多くの国民の被災地への関心が強いもとで、政府が憲法の精神にたって復旧・復興を目指さなければ、野田内閣も短命に終わることは目に見えています。
 憲法13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
 憲法25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
 これが原点です。
 都留市職員組合は10月3日から被災地に組合員を派遣されると聞きました。市と社会福祉協議会の被災地支援は消防職員の震災直後からの支援に始まりましたが、ボランティア休暇を取っての被災地支援は初めてと思います。誇りを持って奮闘していただきたいと思います。

自然エネルギー自給率向上を
 原発事故の問題は安全な市民生活にとって長期にわたる課題です。
 調べてみると、電力の歴史は、国策による地域の電力会社や発電施設の統合、小水力発電施設廃止の歴史でした(三の丸発電所、夏狩発電所の廃止も国策でした)。原発に未来を託せないことが明らかになったいま、水力発電については歴史を逆に回す作業であり、その認識のもとで推進することを求めます。
 もう一つ、再三強調しているところですが、市政は太陽光発電普及のため補助金を増額し、目標を持って再生可能エネルギー自給率を高めるべきです。
 市は東京電力の株を5万6千949株所有しているといいます。しかし、株主総会には出席せず白紙委任状を送りました。