「議員定数削減」公約に疑問(2)
4日、議会が開会されました。この任期、最後の議会です。今週から一般質問を連載する予定でしたが変更して、先々週の「議員定数削減」について補足したいと思います。
なにか言い残していたのではという思いがあったことと、ある議員が市内全域に「定数削減」公約ビラを配っているという情報が入りましたので…。
平均的職員給与とほぼ同じ
新年度予算案が発表され、その中で職員数と職員給与の現況が明らかにされています。
議員報酬は職員の平均給与とほぼ同額です。
職員数は定数501人にたいして現員数は406人(平成22年4月1日)です。よくもここまで減らしたものと思いますが、これについてはいずれ論じてみたいと思います。ただ、「もともと都留市の職員定数は他市に比べて少なかった。これをさらに減らされて大変」というのがまじめな職員の声です。
なぜ選挙で選ばれるか
定員より100人減らされても市長のもとには400人の職員がいます。この400人のうちの2人を減らすのと同じ感覚で議員を2人減らせと主張する、現職議員らしくない、議会の役割にたいする無知、無理解を感じます。恥ずかしい話です。
お金でいえば平均的職員と同程度ですが、議員は選挙で選ばれます。選挙で選ばれるのは、簡単にいえば市民の声を代弁して市長に対抗するためです。議員を2人減らせば市民の声を代弁する力、議会の市長に対抗する力を弱めることは先々週書いたとおりです。
「政治屋はつぎの選挙のことを考え、政治家はつぎの世代のことを考える」とはよく知られた格言です。この格言を思い出したのは「定数削減」を主張する議員が議会批判の世論に乗じて選挙に勝つことだけを考えているように見えたからです。
すすむ議会の公開
そもそも議会批判の原因はどこにあるのでしょう。その一つに議会の存在が見えにくいことがあります。「不況で市民が苦しんでいるのに、何をしているのか分からない議会、議員に税金から『高い』報酬を払う必要などない。減らしてしまえ」、分かりやすい意見です。しかし、「何をしているか分からない議員」を批判するのと議会本来の力を低めるのとはまったく意味が違います。
「何をしているのか分からない」という議会は議論の内容が分かるように公開を進めています。「議会だより」も改善しています。
以前は議場にテレビ局を入れませんでした。「入れろ」と主張し、先輩議員と激しい議論をしたこともありました。いまCATVで放映されていることはご存知のとおりです。委員会も原則公開になりました。
残念ながらCATVの体制では委員会までは放映できないようです。委員会は本会議と違う議員の実体が分かることもありますので、お忙しいでしょうが機会がありましたら傍聴してみてください。
市民の目を市民生活と市の将来からそらそうとする政治屋、許せません。