一つの希望「見る人は見ている」
2月7日付毎日新聞の2面「風知草」で山田孝男専門編集委員が衆院予算委員会の志位質問を取り上げました。この人は以前にも志位委員長の発言を好意的に取り上げています。
危惧される一般紙の論調
最近の新聞は政府に対して批判する姿勢がまったく弱くなっています。たとえばいま国政の大問題になっている消費税とTPP(環太平洋連携協定)では、どの新聞もそれぞれ引き上げと参加をあおっています。批判どころか応援一辺倒です。沖縄の米軍基地問題でも海外へ移転をと主張する新聞はありません。
「赤旗」読者のみなさんには「百も承知二百も合点」のことですが、これらの国政の重要課題で政府を動かしているのは財界とアメリカの「要求」です。対する菅首相は「これだけ言いなりになれば自民党に戻した方がいいとは思わないだろう」と財界とアメリカに頼って政権の延命をはかることを考えています。国民と日本の根本的利益など眼中にありません。これを批判しないで報道機関は社会的責任を果たせるのでしょうか。
私と「赤旗」―各界から期待
日刊「赤旗」に断続的に連載されている特集、「私と『赤旗』」に各界の著名人が「しんぶん赤旗」との出会いや期待の声を寄せています。これを読むと共通しているのは専門家だからこその深い理解のもとで「赤旗」の役割と価値を浮き彫りにしていることです。まじめに真剣に考える人は「赤旗」というわけです。冒頭に触れた毎日新聞についていえば全国紙の論調を見るという意味で購読していますが、楽しんでいるのは万能川柳とクロスワードパズルくらいです。そのなかでの「風知草」の論説でした。
日本航空の解雇が投じた問題
見出しは「効率と幸福の間」。日本航空の機長や客室乗務員の解雇の不当性を追求した志位質問(内容は今週の日曜版をご覧ください)に最大限の賛辞を送りました。
「日本航空のベテラン機長や客室乗務員の解雇は、職業というものの奥深さを知り、仕事と深く結びついた人間の尊厳と経営効率の関係を問い直す事件である。航空業界にも労務にも疎い筆者に、そう気づかせてくれる国会質問があった」といい、党本部に称賛の電話やメールが殺到したことを紹介しています。
歴史的課題としての職業観
私が感動した結語は次のとおりです。
「志位の追及が視聴者をひきつけたのは、機長に限らず、どんな仕事であれ、プロとしての使命感や倫理観、人間を生き生きさせる職業意識を守り、効率偏重を抑えるという姿勢が明確だったからではないか。
経済財政危機と雇用不安の濁流渦巻く中で、経済再生と人間の幸福をどう調和させるか。歴史的な課題に一石を投じる質問だった」。新聞人がみなこういう観点で記事を書いたら日本も変わるでしょう。