| 前へ | Top |2007年〜 | 次へ |
12月議会報告 一般質問(3)

国民健康保険の危機と加入者負担(2)

 (前号より)しかし、この内容は実際の運用となると加入者のプライバシーに深くかかわるためかなり難しいと思います。
 まずこの新基準の実際の運用と周知について、市の取り組みを伺います。

国保税の引き上げに反対
 さて、市の国保会計の赤字を加入者の負担増で埋めようとすると、国保税は大幅な引き上げをしなければなりません。困難な市民生活、とりわけ所得が下がっている国保加入者に負担を強いることは市政として避ける必要があるのではないでしょうか。私は何よりも皆保険制度を守るために、国の負担を元に戻すことだと思います。また、当面、市の負担、一般会計からの繰り入れを続け、加入者負担を避けるべきと思います。これらについて市の見解を問うものです。

限りない負担増招く広域化
 また、国保の広域化は国の責任を都道府県に転嫁し、医療費と保険税の一体化を進めることにつながります。すなわち医療費が増えればそのまま保険税の引き上げにつながるという点で、加入者負担は際限なく増えることになります。この問題について、市はどう認識されているでしょうか。過日、県民大運動の政府交渉に参加したおり、総務省にたいして広域化等支援基金からの借り入れは、もし広域化した場合、返済しないでいいのかと尋ねました。答弁はまだそこまで検討していないというものでした。市は借り入れの際、どう判断されたのでしょうか。

【市長答弁要旨】
 厚生労働省保険局長名で発せられた「一部負担金の徴収猶予及び減免並びに療養取扱い機関の一部負担金の取扱いについての一部改正について」については本年度末を目途に必要となる要綱を制定するための準備を進めている。運用にあたっては被保険者のプライバシーについて留意し検討を進めたい。
 国保会計の赤字は、被保険者の所得が急激に減少し厳しい状況だが、受益者負担の原則に基づき加入者が負担することが適切であると考える。一般会計からの繰入は、他の医療保険制度の加入世帯にとっては二重の負担となり、それらの人々の理解を得られる範囲での導入について、慎重な検討をしなければならない。

国の適正な財源負担を求める
 国保の広域化については、保険料の算定方法を法令で定め、都道府県単位の運営主体が、一般会計からの繰り入れを行う必要が生じない仕組みとすることとしており、医療費の増加が保険料引上げに直結するとの不安を招いているものと考える。
 市町村国保では、収納率の向上や医療費適正化などで医療費を抑制し、安易な保険料の値上げをしない努力を続けてきた。新たな広域化制度では、財政運営と保険料負担については平成25年度に現在の高齢者医療制度に代わる制度が導入された後に検討に入るとされていることから、今後、市長会等を通し、国の適正で責任を持った財源負担について、強く要望してまいりたい。(以下略)