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あらためて県教委の方針を考える

高校統合問題をどうとらえるか

 桂高校同窓会が署名運動の準備をしています。応援する立場から、あらためて県教委の方針について考えてみたいと思います。といっても常識の範囲ですが…。

人口減問題をどうとらえるか
 第一は人口減、少子化問題をどうとらえるかという問題です。
 少子化といえば誰でも「何とかしなければならない」と思っています。地方行政なら、その地方の人口をどうして増やすかを考えます。初めから少子化は避けられない、少子化だから高校統合はやむを得ないというのでは政治や行政の責任放棄といわなければなりません。
 人口減少が避けられないとしても、都留市の減少率は大月市や上野原市とは異なっています。各種の調査でも明らかで、市長答弁がふれているとおりです。国・県は広域行政という手法で出先機関を減らしてきましたが、狙いは公費の負担減です。高校までこの手法で減らされてはたまりません。
 教育費の負担を減らそうという、財政面からしか教育を考えない県の姿勢は根本からただす必要があります。

地域経済に大きな打撃
 第二に、市としては高校を含め国や県の出先機関の減少が地域経済にとって大きな打撃を受けることを考えなければなりません。
 法務局や警察、郵便局、その前にはNTTや東京電力が撤退しました。それは都市としての求心力の低下を意味します。「都留市はどうなるのか」、多くの市民が嘆いています。しかし、それだけではすみません。そうした出先機関からの需要がなくなれば直接的な経済的打撃となります。
 こうした意味も含めて谷村高校から桂高校が分離し、高校が増えたのは発展でした。今回はその逆です。桂高校がなくなることによる打撃は大きく、すでに納入業者の間で不安の声が上がっているといいます。「高校だけの問題ではない」のです。

実績を無視した県方針
 県の高校統合の方針は谷村工業高校の就職希望者100%就職という実績を無視したものです。この実績は少人数学級だからこその快挙というべきでしょう。
 桂高校のホームページも見てください。他校の教員が高く評価する実践があります。
 こうした実績を踏まえてこそ今後の発展方向が見えてきます。少規模校では部活動ができないなどという理由は、学校の目的が学業という常識さえわきまえない、こじつけとしか言いようがありません。
 18日付山日新聞が一面トップで取り上げました。「市を挙げて」の反対に「着地点見いだせない」と。県教委の戸惑いが分かります。
 しかし、「説明不足で反発招く」というのはまったくの的外れです。自らの考えがないために県教委の説明に納得し、賛成してしまった議員が困って「もっと説明してもらいたい」と言っているだけです。統合がどんな結果をもたらすか、分かっている市民に統合のための説明など不要です。